アカメヤナギ (マルバヤナギ) Salix chaenomeloides  Kimura ヤナギ科 ヤナギ属
湿生植物
Fig.1 (西宮市・河川 2008.7/7)

低地の湿地、溜池畔、河畔などに生育する高さ10〜20mになる落葉広葉樹の高木。
樹皮は灰褐色、縦に割れて薄くはがれる。
葉は楕円形〜長楕円形、新葉は赤く、下面は紛白色、鋸歯は細かく先端は腺で終わる。
葉柄にはふつう腺があり、ときにその腺は小葉状に発達。大型の托葉がある。
芽鱗は2枚が合着して
花穂は下出葉4〜6枚と花序柄があり、長さ約50mmで花軸に毛がある。
雄花は雄蕊3〜6個、花糸の下方は有毛、葯は黄色、腺体は腹面に1または2個以上が合体、苞は卵円形。
雌花は子房に子房柄があり無毛、苞は円形で子房柄と同長、背面に毛がある。合着の盃状または盤状の腺体上に子房がでるか、
2以上合体し2〜3群の背腹にわかれた間から子房は出る。
花柱は短く、柱頭は2岐し、4個。

■分布:本州(宮城、山形以西)、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国(中部)
■生育環境:湿地、溜池畔、河畔、など。
■花期:11〜3月
■西宮市内での分布:中・北部の湿地、溜池畔、河畔などで見られる。
■ホストとする種:ヤナギハムシ、ドロノキハムシ、ヤナギルリハムシ、カミナリハムシ、ヨツボシサルハムシ、コカミナリハムシ、
キバラヒメハムシ、タテジマサルハムシ、トホシハムシ、ミドリトビハムシ、クワカミキリ、ゴマダラカミキリ、コムラサキ、ベニシタバ、
イラガなど
*(狭)はヤナギ属だけに依存する狭食性の種。(後食)は成虫が後食する種。

Fig.2 高木化したアカメヤナギの樹幹。(西宮市・河川 2008.7/7)
  樹皮は灰褐色、細かく縦に割れてはがれる。

Fig.3 新葉は赤味を帯びてよく目立ち、本種の名の由来となった。(西宮市・池畔 2008.7/7)

Fig.4 落下した雄花序。(西宮市・池畔 2011.4/24)
  雄花序は花粉放出後に枝から落ちる。

Fig.5 アカメヤナギを食害するヤナギハムシ。(兵庫県丹波市・ダム湖畔 2013.5/31)
  左は蛹の脱皮殻で、この成虫は羽化して間もないもの。

西宮市内での生育環境と生態
現在、画像はありません。

長谷川義人. 2001. ヤナギ科ヤナギ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 528〜543. 神奈川県立生命の星・地球博物館
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. マルバヤナギ. 『六甲山地の植物誌』 101. (財)神戸市公園緑化協会
村田源. 2004. アカメヤナギ. 『近畿地方植物誌』 129. 大阪自然史センター

最終更新日:5th.Oct.2014

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