アメリカヤガミスゲ | Carex scoparia Schkuhr ex Willd. | カヤツリグサ科 スゲ属 ヤガミスゲ節 |
湿生植物 帰化植物 |
Fig.1 (西宮市・遊歩道脇 2007.6/17) 帰化種。湿地や湿った草地に生える多年草。 叢生し、高さ40〜60cm。葉は果実期には花茎よりも短く、幅1〜3mm。 花序は長さ1.5〜3cm、幅約1cm、3〜8個の小穂を上部では接近してつけ、下方ではやや離れてつける。 小穂は柄がなく、卵形で長さ5〜10mm、上部に多数の雌花、基部に少数の雄花がつく。 苞葉は発達せず、ときに最下のものに小穂と同長またはやや長い葉身がある。 雌花の鱗片は狭卵形〜披針形で鋭頭、果胞と同長またはやや短く、褐色を帯びる。 果胞は披針形、長さ4.5〜6mm、幅1.5〜1.8mm、扁平で狭い翼があり、その縁は小刺があってざらつき、嘴はやや長く、先は2歯となり、 背面腹面ともに数脈ある。果胞は熟しても開出せず、直立したままで、在来のヤガミスゲとは区別がつく。 柱頭は2岐。痩果は長楕円形で2稜あり、長さ1〜1.5mm、幅約0.7mm、基部は短柄状、上端に花柱基部が長さ0.5〜1mmの嘴状となって残る。 ヤガミスゲ節の外来種のうちクシロヤガミスゲ(C. crawfordii)に似るが、クシロヤガミスゲは小穂の数が多く、果胞の幅は0.8〜1mmと狭い。 タマノヤガミスゲ(C. aenea)もアメリカヤガミスゲに似るが、雌花の鱗片は長さ幅ともに果胞と同長、痩果は楕円形で長さ1.7〜2mm、幅1.2〜1.3mmとやや大きい。 在来のヤガミスゲ(C. maackii)は、葉幅3〜6mmと広く、雌鱗片は果胞より短く鈍頭、熟すと果胞はやや開出する。 ■分布: ■生育環境:河川敷や湿った道端など。 ■果実期:5〜6月 ■西宮市内での分布:武庫川河川敷、北山緑化植物園内で生育を確認。 |
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↑Fig.2 基部。(西宮市・遊歩道脇 2007.6/17) 基部には2個の葉身のある鞘があり、上方のものは淡色、下方のものは淡褐色。 |
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↑Fig.3 小穂。(西宮市・遊歩道脇 2007.6/17) 小穂は無柄、上方には多数の雌花がつき、基部に少数の雄花がつく。 |
西宮市内での生育環境と生態 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 勝山輝男. 2001. カヤツリグサ科スゲ属. 清水建美(編)『日本の帰化植物』 pp.293〜296. pls.155〜157. 平凡社 勝山輝男, 2005 スゲ属の帰化植物ヤガミスゲ節. 『日本のスゲ』 356〜359. 文一総合出版 小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. アメリカヤガミスゲ. 『六甲山地の植物誌』 247. (財)神戸市公園緑化協会 |