アゼガヤ Leptochloa chinensis  (L.) Nees. イネ科 アゼガヤ属
湿生植物
Fig.1 (西宮市山口町・水田 2007.9/6)

水田や畦、農耕地周辺の湿地や休耕田、河川敷などに生える1年草で、ときに休耕田を覆い尽くすことがある。
はじめは茎が倒れこむが、やがて稈を斜上〜直立させ、高さ30〜70cmになる。
葉身はやや白味を帯びた青緑色で線形、葉舌は短く目立たない。葉鞘は無毛。
花序は長さ15〜40cmで、多数の横枝を開出し、その下側に5〜7小花からなる小穂を花枝に密着するように隙間なく付ける。
小穂は長さ2.5〜3mm、5〜7個の小花をつけ、成熟すると紫色味を帯びる。

■分布:本州、四国、九州 ・ 中国、インド、オーストラリア
■生育環境:水田や畦とその周辺の湿地、休耕田など。
■花期:8〜10月
■西宮市内での分布:市内全域の水田周辺、河川敷などに普通。

Fig.2 花序枝は花序中軸に単生する。(西宮市山口町・水田 2007.9/6)

Fig.3 花序の一部を拡大。(西宮市山口町・休耕田 2008.10/24)
  花序枝には紫色味を帯びた小穂が下側に密に付く。小穂は5〜7小花からなる。

西宮市内での生育環境と生態
Fig.4 休耕田の一画を埋め尽くすアゼガヤ。(西宮市山口町・休耕田 2007.10/11)

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
大井次三郎, イネ科アゼガヤ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)『日本の野生植物 草本1 単子葉類』
       pp.104. pls.87 平凡社
北村四郎・村田源・小山鐡夫, 2004 イネ科アゼガヤ属. 『原色日本植物図鑑 草本編(3) 単子葉類』 pp.334〜335. pls.60. 保育社
藤本義昭. 1995. イネ科アゼガヤ属. 『兵庫県イネ科植物誌』 142〜144. 藤本植物研究所
古川冷實. 2001. イネ科アゼガヤ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 316〜318. 神奈川県立生命の星・地球博物館
桑原義晴, 2008 アゼガヤ属. 『日本イネ科植物図譜』 pp.300〜302. pls.28. 全国農村教育協会
長田武正・長田喜美子, 1984 アゼガヤ. 『野草図鑑 3 すすきの巻』 pp.160. pls.158. 保育社
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. アゼガヤ. 『六甲山地の植物誌』 232. (財)神戸市公園緑化協会
村田源. 2004. アゼガヤ. 『近畿地方植物誌』 177. 大阪自然史センター

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