ヒレアザミ Carduus crispus  L. キク科 ヒレアザミ属
湿生植物
Fig.1 (岡山県真庭市・小湿地 2003.6/26)

耕作地周辺の湿った草原、休耕田、湿地に生育する越年草。史前帰化植物とされる。
茎は直立して高さ1m前後になり、縦に2条の翼がある。
葉は羽状に中〜深裂して長さ5〜20cm、縁の鋸歯の先は翼と共に鋭い細い刺となり、下面ははじめ白いくも毛がある。
総苞は釣鐘形で長さ20mm、幅17〜27mm、外片は次第に短く、中片と共に先は細い刺となって反り返る。
花床には剛毛がある。花冠は紅紫色、稀に白色で深く切れ込む。
花柱の先は2裂してやや開出しその枝のすぐ下はふくらんで乳頭状の毛がある。
小花はすべて同形で両性。痩果は長楕円形、無毛で長さ約3mm、幅1.5mm。冠毛は長さ15mm、剛毛状でわずかにざらつき、基部は環状につく。

■分布:本州、四国、九州 ・ 東アジア、シベリア、コーカサス、ヨーロッパ
■生育環境:耕作地周辺の湿った草原、休耕田、湿地など。
■花期:5〜7月
■西宮市内での分布:市内では確認できていない。兵庫県東南部では稀である。

Fig.2 訪花したオオチャバネセセリ。(岡山県真庭市・小湿地 2003.6/26)
 

Fig.3 訪花したキチョウ。(岡山県真庭市・小湿地 2003.6/26)
 

西宮市内での生育環境と生態
現在、画像はありません。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
北村四郎, 1981. キク科ヒレアザミ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)
       『日本の野生植物 草本3 合弁花類』 pp.220. pls.200. 平凡社
北村四郎・村田源・堀勝, 2004 キク科ヒレアザミ属. 『原色日本植物図鑑 草本編(1) 合弁花編』 pp.22. pls.6. 
牧野富太郎, 1961 ヒレアザミ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 669. 北隆館
長田武正・長田喜美子, 1984 ヒレアザミ. 『野草図鑑 8 はこべの巻』 pp.148. pls.146. 保育社
大場達之. 2001. キク科ヒレアザミ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1333〜1335. 神奈川県立生命の星・地球博物館
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. ヒレアザミ. 『六甲山地の植物誌』 203. (財)神戸市公園緑化協会
村田源. 2004. ヒレアザミ. 『近畿地方植物誌』 19. 大阪自然史センター

<<<戻る TOPページ