スズメウリ | Melothria japonica (Thunb.) Maxim. ex Cogn. | ウリ科 スズメウリ属 |
湿生植物 |
Fig.1 (兵庫県加西市・溜池畔 2010.9/28) |
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Fig.2 (兵庫県加古川市・溜池畔 2011.10/29) 休耕田、溜池畔、用水路脇、河川敷、湿った林縁などに生育する1年生のつる性草本。 葉は巻きひげと対生し、柄があり、卵円形で鋭頭、薄く、表面はざらつく。茎は細く、巻きひげはふつう分枝しない。 花はふつう茎頂に総状につくか葉腋に1〜3個つき、白色で5裂し、径6〜7mm、萼歯は5個、細い花柄がある。 花は雌雄異花で、花冠はふつう5裂する。雄花には3個の雌蕊があり、雌蕊は短い花柱が1個あり、柱頭が2岐する。 液果は細い柄の先に下垂し、卵形または球形で長さ13〜20mm、灰白色に熟す。 種子は多数あり、灰白色で長さ5〜6mm。 近似種 : ゴキヅル ■分布:本州、四国、九州 ・ 済州島 ■生育環境:休耕田、溜池畔、用水路脇、河川敷、湿った林縁など。 ■果実期:8〜9月 ■西宮市内での分布:市内では中・北部の休耕田や用水路脇などで見られる。 |
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↑Fig.3 茎と葉。(兵庫県加西市・溜池畔 2010.9/28) 茎は細長く、葉はふつう各節に1個つき、巻きひげと対生し、柄がある。 葉身は3角状の卵円形で、ときに浅3裂し、質は薄く、鋭頭、縁にあらい鋸歯があり、基部はやや心形となる。 |
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↑Fig.4 花序。(兵庫県加西市・溜池畔 2010.9/28) 茎の頂部では花は総状の花序につくが、葉腋から花序を出しているものも見かける。 葉腋からはふつう1〜3個の柄のある花がつく。 |
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↑Fig.5 葉腋から出た花序。(兵庫県加西市・溜池畔 2010.9/28) 花柄(果柄)がつく茎には小さな苞葉と巻きひげがつくが、苞葉は葉と同形であり、厳密には花序は分枝した側枝である。 |
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↑Fig.6 スズメウリの花。(岡山県真庭市・河川堤防 2007.9/23) 雌雄異花で画像で花冠がこちらに向いて開花中のものは雄花。花冠はふつう5裂するが、画像のような6裂するものも多い。 すぐ隣のものは子房がふくらみつつある雌花で、すでに受粉後であるが花冠は落ちずに残っている。 |
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↑Fig.7 果実。(西宮市・休耕田 2010.10/14) 果実は液果で、球形に近い卵形、熟すと灰白色となり、中に多数の種子がある。 |
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↑Fig.8 幼個体。(西宮市・休耕田 2010.6/21) |
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↑Fig.9 生長期のスズメウリ。(西宮市・休耕田 2010.6/21) 画像左の個体は巻きひげを長く伸ばしている。 |
西宮市内での生育環境と生態 |
Fig.10 休耕田に生育するスズメウリ。(西宮市・休耕田 2013.9/30) ヨシ、ガマが茂る経年した休耕田で、ヨシにつるを巻きつけて生育している。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 北村四郎, 1982. ウリ科スズメウリ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編) 『日本の野生植物 草本2 離弁花類』 p.258〜259. pl.236. 平凡社 北村四郎・村田源・堀勝, 2004 ウリ科スズメウリ属. 『原色日本植物図鑑 草本編(1) 合弁花編』 p.59. pl.32. 大津任. 2001. スズメウリ. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1028〜1029. 神奈川県立生命の星・地球博物館 牧野富太郎, 1961 スズメウリ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 607. 北隆館 村田源. 2004. スズメウリ. 『近畿地方植物誌』 31. 大阪自然史センター 小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. スズメウリ. 『六甲山地の植物誌』 161. (財)神戸市公園緑化協会 布施静香・黒崎史平 2003. スズメウリ. 兵庫県産維管束植物5 ウリ科. 人と自然14:142. 兵庫県立・人と自然の博物館 最終更新日:26th.July.2014 |