北アメリカ原産の帰化植物で、水田、休耕田、用水路などに浮かんで生育する1年草。
茎はよく分枝し、節から発根して広がり、長さ20～60cm、軟毛が生える。
葉は対生し、柄がなく、広楕円形～広倒卵形、長さ1.5～3cm、幅1～2cm、厚味があって柔らかく、先は丸く、全縁。
葉面には掌状に走る3～7本の脈があり、両面ともに無毛。
花は上部の葉腋ごとに2～4個つく。花柄は長さ5～15mm、柔毛が生える。
萼は5個、楕円形で先は鈍く、長さ4～5mm、幅1.5～2mm、無毛、外側の2個は内側の3個よりも幅が広い。
花冠は白色で、花喉は黄色、筒状をなし、先が5裂して開き、やや左右相称、長さ8mm。
蒴果は卵形で長さ約4mm、萼に包まれ、多数の種子を持つ。
本種はアクアリウムのレイアウト用に輸入したものが逸出し、帰化した。
現在でもバコパ・ロトンディフォリアの名で流通し、手軽に育てられる水草として親しまれているが、管理には注意すべきである。
同属で国内にも流通する水草として以下のものがある。
オトメアゼナ(B. monnieri)はバコパ・モンニエリとも称され、ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、南北アメリカの温帯～熱帯に分布する。
沈水～湿生の多年草。陸生では茎は地表を横に這い、分枝して上部は斜上または直立し、無毛、高さ50cm前後。葉は対生し、楕円状倒卵形、
長さ5～20mm、幅2～5mm、やや肉質で平滑。
花は茎上部の葉腋につき、白色～淡紫色、花冠は長さ8～10mm、4または5裂し、裂片の長さは約4mm。
国外では逸出定着している例が多く、環境省の要注意外来生物に指定されている。
流通名ウォーターバコパ(B. caroliniana)は北アメリカの温帯～熱帯に分布。沈水～湿生の1年草。
陸生形では、茎は這って分枝し、上部は斜上し、有毛、高さは30～100cm。
葉はふつう茎を抱き、卵形～長楕円状披針形、長さ1.5～2.5cm、幅は長さの1/2前後、腺点があってレモン様の芳香があり、裏面に毛がある。
沈水形では茎の毛はほとんどない。花は青紫色で、花冠はふつう5裂し、長さ1.3mm。
流通名イエローバコパ(B. lanigera)は南米ブラジル産。湿生～抽水生の多年草。
茎下部は地表を這い、上部は斜上し、高さ10～30cm、開出毛が密生する。
葉は対生してほぼ無柄、やや肉質の黄緑色、長さ約3cm、幅約2.5cmの卵形で、葉脈は黄色を帯び、葉裏に短毛がある。
花は葉腋につき、花冠は4～5裂し、青紫色、径約8mm。
他にマダガスカルバコパ(B. madagascariensis)などがあるが、情報が少なく詳細は不明。
■分布：本州（関東以西）、四国、九州に帰化 ・ 北アメリカ、東アジア
■生育環境：溜池、水路、河川など。
■花期：6～10月
■西宮市内での分布：市内では市街地にある水田、中部の新興住宅地周辺の水田や用水路に見られる。
秋には萼に包まれた果実が沢山つくられる。
花冠は白色で5裂し、雌蕊柱頭は2岐して先端がふくらんでいるのが判る。
果実は萼に包まれて、ほぼ球形。果柄（花柄）には柔毛が生え、萼は無毛。
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