アカバナユウゲショウ(ユウゲショウ) | Oenothera rosea Ait. | ||
荒れ地・河川敷の植物 帰化植物 |
アカバナ科 マツヨイグサ属 |
Fig.1 (西宮市・公園 2010.5/6) 明治時代に鑑賞用として持ち込まれたものが逸出して、各地に広がったもの。荒れ地や河川の護岸の間、河川敷によく見られる。 多年草。茎は斜上または平伏し、高さ7〜65cm。ロゼットをつくる。 地下部は主根がなく、ひげ根を持つ。茎には剛毛があり、しばしば長毛が混じる。 茎の葉は楕円形、まれに卵形、長さ1〜6cm、幅0.4〜2.5cm、縁はほぼ全縁から波状の鋸歯を持ち、下部の葉では波状に羽状中裂することが多い。 花は直立する茎の上部の葉腋につき、自家和合性があり、午後〜夕刻に開花する。 萼筒は長さ0.4〜0.8cm。萼裂片は長さ0.5〜1.2cm、灰緑色または黄緑色で、しばしば紫色を帯び、突起は長さ0.1〜1mm。 花弁はピンク色〜紅紫色で、しぼむと濃色となり、広倒卵形、長さ0.4〜1.2cm。 葯は長さ2〜3.5mm。柱頭は花時に葯に囲まれる。子房はふつう密に剛毛が生える。 刮ハは棍棒状〜狭倒卵形、長さ0.4〜1.2cmで、8稜あり、基部の種子のつかない部分は長さ0.5〜2cmの柄状となる。 種子は各室に不明瞭に列生し、長さ0.5〜0.9mm、表面には微細な粒があり、両端には黒い点がある。 ■分布:帰化種 ・ 北アメリカ原産で、世界の暖温帯域に広く帰化している。 ■生育環境:市街地周辺の裸地や荒れ地、河川の護岸のすき間、河川敷などによく見られる。 ■花期:5〜10月 |
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↑Fig.2 花冠。(西宮市・公園 2010.5/6) 花は濃いピンク色で目立ち、観賞用として持ち込まれただけに見応えがある。 柱頭は4岐し、葯は柱頭を取り囲む。 |
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↑Fig.3 刮ハ。(西宮市・公園 2010.5/6) 棍棒状〜狭倒卵状で、8稜あり、基部は柄状となり、有毛。 |
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↑Fig.4 茎葉。(西宮市・公園 2010.5/6) 茎につく葉は楕円形、全縁または波状縁、先は鈍頭〜やや鋭頭。 |
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↑Fig.5 下部の葉。(西宮市・公園 2010.5/6) 茎下部の葉やロゼット葉は波状に羽状中裂することが多い。 |
生育環境と生態 |
Fig.6 河川内のわずかな陸地に定着したアカバナユウゲショウ。(西宮市津門川・河川 2007.6/4) 西宮の市街を流れる津門川には、わずかな岸辺や護岸のすき間などにアカバナユウゲショウが数多く見られる。 護岸のすき間では在来種イヌノフグリのほか、外来種のツタバウンランなど、生育環境が似た他種との競合が見られる。 |
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Fig.7 公園の草地で咲くアカバナユウゲショウ。(西宮市・公園 2010.5/6) 親水公園のコメツブツメクサの草むらに埋もれて点々と生育していた。 |