アオイスミレ | Viola hondoensis W.Becker et H.Boissieu | ||
里山・林縁・林床の植物 | スミレ科 スミレ属 |
Fig.1 (兵庫県丹波市・雑木林の林床 2011.3/21) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・棚田の土手 2011.3/31) 丘陵〜山地、里山のやや湿った林縁や疎林の林床に生育する多年草。 根茎は太くて短く、横にはい、密に結節する。 葉は円心形で、幅1.5〜4cm、円頭〜鈍頭、縁には低い鋸歯があり、柄は長さ2〜8cm、果実期の葉はいちじるしく大きくなる。 花柄は長さ4〜7cm、花は根生し、また匐枝の上からも出て、白色〜淡紫色。萼片は狭長楕円形で、毛があり、鈍頭。 花弁は長さ10〜13mm、側弁は少し毛があるか無毛、唇弁には紫条がある。距は短く、長さ3〜4.5mm。 果柄は湾曲し、地表に向かう。刮ハは球形であらい毛を密生し、長さ5〜6mm、やや肉質。 刮ハは裂開すると朔片は平らになり、舟形とならない。種子は少数。 近縁種 : ■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮(ウツリョウ島) ■生育環境:丘陵〜山地、里山のやや湿った林縁や疎林の林床など。 ■花期:3〜4月 |
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↑Fig.3 開花期の葉。(兵庫県丹波市・雑木林の林床 2011.3/21) 葉は円心形で、幅1.5〜4cm、円頭〜鈍頭、縁には低い鋸歯がある。柄は長さ2〜8cmで、毛が生える。 葉裏には細毛が密に生え、ビロード状に見える。 |
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↑Fig.4 開花し始めたアオイスミレ。(兵庫県丹波市・雑木林の林床 2011.3/21) アオイスミレはスミレの仲間でも最も早く開花する。 新葉は縁が巻いた状態で展出し、葉裏の毛が白く目立つ。 |
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↑Fig.5 アオイスミレの花。(兵庫県丹波市・雑木林の林床 2011.3/21) 花柄は短く、花は根生し、白色〜淡紫色。花弁は長さ10〜13mm、側弁には少し毛があるか無毛、唇弁には紫条がある。 花柱の先は下向きに曲がりカギ形となる。 |
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↑Fig.6 花柄と萼、距。(兵庫県丹波市・雑木林の林床 2011.3/21) 花柄には開出毛がややまばらに生えている。萼片は狭長楕円形で、毛があり、鈍頭。距は太短く、ずんぐりしており、長さ3〜4.5mm。 |
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↑Fig.7 花後のアオイスミレ。(兵庫県篠山市・溜池畔 2010.4/18) 開花期が終わったばかりの草体。ここでは3月中に開花が終わって、これから大きな葉が出てくる。 溜池の土堤上にはタチツボスミレやニオイタチツボスミレが咲き始めていた。 |
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↑Fig.8 5月の葉姿。(兵庫県丹波市・社寺の境内 2010.5/8) 葉はかなり大きくなっている。 |
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↑Fig.9 閉鎖花(右)と、その果実(左)。(兵庫県三田市・雑木林の林縁 2011.7/3) 閉鎖花は球形、花柄は細く短いが、結実して熟すにつれて果柄は長く伸び、より細くなる。刮ハは球形、表面には毛が密生する。 |
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↑Fig.10 閉鎖花の刮ハ内の種子。(兵庫県三田市・雑木林の林縁 2011.7/3) 種子は少数形成され、卵形、長さ約1.8mm、先に透明なエライオソームがつく。 |
生育環境と生態 |
Fig.11 林縁斜面に生育するアオイスミレ。(兵庫県篠山市・林縁 2011.3/21) 植林地林縁部の急な北向き斜面にアオイスミレが点在していた。 早春まで雪が残っていることが多いためかやや湿った環境となり、同所的にヤブカンゾウ、ジャノヒゲ、ヒロハノアマナ、セツブンソウ、イチリンソウ、 カテンソウ、タチツボスミレ、セントウソウ、ハナウド、シシウド、コハコベ、ツルカノコソウなどが生育している。 |
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Fig.12 果樹園の土手上に生育するアオイスミレ。(兵庫県篠山市・草地土手 2011.3/21) 半日陰に多いアオイスミレだが、日当たりの良い草地に生育していることもある。 ここでは同所的にヤハズエンドウ、フキ、カキドオシ、セントウソウ、ヘビイチゴ、コハコベ、キンキエンゴサクなどとともに生育している。 |