イヌハギ | Lespedeza tomentosa (Thunb.) Siebold ex Maxim. |
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河川敷・草地の植物 準絶滅危惧(NT)・兵庫県RDB Cランク種 |
マメ科 ハギ属 |
Fig.1 (兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) |
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Fig.2 (兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 河川敷や日当たりよい草地や砂地に生育する半低木。 高さ150cm。全体に黄褐色の軟毛がある。葉は互生し、短い柄のある羽状の3小葉をつけ、頂小葉は長楕円形、長さ3〜6cm。 花は白色でやや黄色を帯び、長さ8〜10mm、長い総状花序に多数つく。 萼は5深裂し、長さ約6mm、開出する白黄色毛を密生する。萼裂片は狭披針形、先は針状、長さ約4mm。 閉鎖花はやや多数が葉腋にあつまってつく。節果は卵形、長さ4〜5mm、閉鎖花からできたものはやや小型。 【メモ】 河川敷や堤防などに生育するが、自生地の環境改変により、各地で減少傾向にある。 西宮市内では過去に武庫川河川敷からの記録があるが、現在は生育を確認できていない。 近縁種 : メドハギ、マキエハギ ■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、中国、インド、ヒマラヤ ■生育環境:河川敷や日当たりよい草地や砂地など。 ■花期:3〜6月 |
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↑Fig.3 茎と葉。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 茎は丈夫で、大きなものはやや木質化し、数個の肋があり、肋上には黄褐色の軟毛がある。 葉は互生し、短い柄のある羽状の3小葉をつけ、小葉は厚味と光沢があり、側脈は縁まで達せず、葉縁には短毛がある。 頂小葉は長楕円形で明瞭な柄がある。 |
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↑Fig.4 花序。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 分枝した枝の上部の葉腋から、柄のある長い総状花序を出す。 |
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↑Fig.5 総状花序。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 花序の柄は有毛。花序には黄色をおびた白色の蝶形花が多数つく。 |
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↑Fig.6 萼。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 萼は5深裂し、下方の3裂片は細長く線状にとがり、上方の2裂片は短く、白黄色毛を密生する。 |
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↑Fig.7 開花中の花序。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 旗弁の先はとがり中央に数個の赤紫色の条がある。竜骨(舟)弁は鈍頭、翼弁とほぼ同長。 |
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↑Fig.8 閉鎖花。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 正常花のつく花序の柄の基部および花序の先と、葉腋に、小さな柄のない閉鎖花が集まってつく。閉鎖花の雄蕊はごく小さい。 正常花の花序はほとんど結実せず、閉鎖花の結実率は非常に高いという。 |
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↑Fig.9 訪花したクマバチ。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) ハギ属の花にはハナバチの仲間がよく訪花し、イヌハギも例外ではないようだ。 この日は3頭のクマバチが訪花しており、訪花したクマバチは腹部に花粉を溜め込んでいた。 |
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↑Fig.10 訪花したハナムグリ。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) イヌハギの花上にコアオハナムグリとハナムグリが見られた。 |
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↑Fig.11 結実した閉鎖花。(兵庫県小野市・溜池土堤 2014.10/11) 正常な花よりも閉鎖花のほうがよく結実する。 |
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↑Fig.12 閉鎖花の節果。(兵庫県加古川市・溜池土堤 2014.10/11) 節果は卵形、長さ4〜5mm、閉鎖花からできたものはやや小型となり、萼裂片より短い。 |
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↑Fig.13 種子。(兵庫県加古川市・溜池土堤 2014.10/11) |
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↑Fig.14 葉裏にいたウラナミシジミの幼虫。(西宮市・河川敷 2015.10/7) |
生育環境と生態 |
Fig.15 里山の溜池土堤で群生するイヌハギ。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.9/11) 里山の棚田上部の連続する溜池の最下の土堤にイヌハギが群生していた。 土堤にはススキ、ヨモギ、メドハギが最も多く、その一画をイヌハギが優占していた。 他にワラビ、ノアズキ、コマツナギ、ツルマメ、ツリガネニンジン、オトギリソウ、キツネノマゴなどが生育していた。 |