ハマビシ Tribulus terrestris  L.
  海浜の植物 

  絶滅危惧TB類(EN)・兵庫県RDB Aランク種
ハマビシ科 ハマビシ属
Fig.1 (兵庫県淡路島・海浜 2009.7/5)

Fig.2 (兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)

海岸や周辺の砂地に生育する1年草または越年草。
茎は匍匐して長さ1mに達し、基部で分枝し、枝はふたたび分岐する。
若い枝や葉軸などに白色の粗い毛と短毛が目立つ。
葉は中間型もあるが2型を区別することができ、1つは大型で6〜7対の小葉があり、葉軸は長さ3〜6cm。
他の1つは小型で3〜5対の小葉があり、葉軸は長さ1〜3cm。
大型葉は単独か小型葉または花に対生してつき、小型葉はつねに大型葉と対生してつく。
小葉は葉軸に対生し、長楕円形、鈍頭またはやや鋭頭で全縁、基部は中肋より下が大きくゆがみ、裏面と葉縁に白い伏毛がある。
托葉は葉の基部に1対つき、離生し、狭卵状3角形で、長さ1〜5mm、宿存する。
花は小型葉の腋につくか、あるいは大型葉に対生してつく。花柄はながさ1〜2cm。
萼片は狭卵形でしだいに狭くなり鋭頭、長さ4〜5mm。花弁は黄色、倒卵形で、長さ約5mm。
雌蕊は無柄、子房に白毛を密布する。刮ハは径約1cm、熟して5片にわかれ、果皮は木質で表面に10本の太い刺と、多数の刺状の毛とがある。

【メモ】 現在西宮市内の甲子園浜に見られるものは、淡路島の集団の種子を移植したもので、もとから自生していたものではない。
■分布:本州(千葉県・福井県以西)、四国、九州 ・ 世界の熱帯〜暖帯の海岸や内陸の乾燥地
■生育環境:海岸と周辺の砂地。
■花期:7〜10月

Fig.3 枝を分けて広がったハマビシ。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  茎は枝を分けながら伸びて、植物体は地表に広がる。中央のものは長さ2mを越えている。

Fig.4 基部の分岐部。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  肥厚して硬く、半ば木質化している。

Fig.5 茎と枝。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  若い枝や葉軸などに白色の粗い毛と短毛が目立つ。茎や枝は淡褐色を帯びることが多い。

Fig.6 2型ある葉。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  茎の基部付近を除いて、茎や枝には大型葉と小型葉が対生してつき、次の節では両者は入れ替わる。
  花(果実)は必ず小型葉の葉腋か、小型の草体であれば大型葉に対生してつく。

Fig.7 生長初期は葉が互生する。(西宮市・海浜 2012.7/19)
  すなわち茎下方につく葉は大型葉のみが互生してついている。

Fig.8 大型葉。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  葉は偶数羽状複葉。葉軸には粗い毛が顕著。小葉は葉軸に対生し、長楕円形、鈍頭またはやや鋭頭で全縁。
  葉縁や中肋に毛がある。基部には離生する托葉があり、狭卵状3角形で、宿存する。

Fig.9 大型葉の葉裏。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  小葉の葉裏には伏毛が生える。

Fig.10 開花した花。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  花は枝先についた小型葉の葉腋につき、1花ずつ開花する。

Fig.11 花。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  花弁は黄色、倒卵形で、長さ約5mm。雄蕊は10個。雌蕊は無柄、子房に白毛を密布する。

Fig.12 訪花したヤマトシジミ。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  海岸であまり蝶は見かけず、訪花していたのはヤマトシジミとベニシジミだけだった。
  周囲にはハマボウフウに産卵するキアゲハが見られたが、ハマビシには訪花していなかった。

Fig.13 花にたかるアザミウマの仲間。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  子房に寄生するのだろうか?あるいは単に花粉を食べにきただけなのか?。

Fig.14 成熟途上の果実。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)

Fig.15 熟した果実。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  熟して5片にわかれ、果皮は木質で表面に10本の太い刺と、多数の刺状の毛とがある。
  刺の先は鋭くて硬く、手に簡単に刺さる。

Fig.16 枝を重ねあって生育するハマビシ。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
  この年は夏の多雨が幸いしてか、非常に生育状態が良く、枝を重ねあって大きく生長していた。

生育環境と生態
Fig.17 海浜の砂浜に生育するハマビシ。(兵庫県播磨地方・海岸の砂浜 2014.9/24)
およそ60年ぶりに再発見されたもので、他種の被植の少ない砂地に群生している。
コウボウシバの群落(画像奥)と接しているが、コウボウシバ群落中ではあまり大きな個体はなかった。
ハマビシ群落中にはハマヒルガオ、ハマボウフウ、コニシキソウなどが点在していた。

Fig.18 淡路島で保護管理されているハマビシ。(兵庫県淡路島・海浜 2009.7/5)
黒いチューブは散水ホースで、おもに散水チューブ周辺で生育している。
数年置きに兵庫県植物誌研究会の有志により調査が行われている。夏に降雨が少ない年はあまり生育状態が良くない。

最終更新日:30th.Sept.2014

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