ハナウド | Heracleum nipponicum Kitag. | ||
里山・草原の植物 | セリ科 ハナウド属 |
Fig.1 (兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) |
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Fig.2 (大阪府高槻市・河川敷 2013.5/15) 里山や山間の草地、原野に生育する越年草ときに多年草。 根は太く、茎は中空で直立し、上部は分枝し、高さは1mにもなる。 葉は3出葉か単羽状複葉で、小葉は2〜3対で卵形〜広卵形、浅〜中裂し、あらい鋸歯があり、両面に多少とも毛がある。 花序は径約18cmで、かなり密に白花をつけ、頂生のものは稔り、側生のものは雄性で稔らないものが多く、周辺花の外側の1花弁は大きくなる。 果実は扁平で、広楕円形、両端は浅くへこみ、背隆条は糸状で突起しない。 【メモ】 兵庫県下ではハナウドは内陸部に多く見られる。 西宮市内での記録はないが、武田尾の武庫川河畔に少数の生育を確認している。 河川敷でよく見られる種なので、湿生植物としてもよいのかもしれない。 近縁種 : オオハナウド ■分布:本州(関東以西)、四国、九州 ■生育環境:里山や山間の草地、原野など。 ■花期:5〜6月 |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 葉はあまり厚くなく、3出葉か単羽状複葉(画像のもの)で、小葉は2〜3対で卵形〜広卵形、浅〜中裂し、あらい鋸歯がある。 |
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↑Fig.4 茎上部の葉。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 葉柄の基部は袋状となるが、茎上部では葉柄部分が全て袋状となり、茎を抱く。 茎上部には開出毛が生え、上にいくほど多くなる。 |
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↑Fig.5 花序。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 花序は複散形花序で径約18cmで、かなり密に白花をつける。 |
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↑Fig.6 大散形花序の苞葉。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 大散形花序の苞葉は線形で、開花時には脱落しているものも多い。 |
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↑Fig.7 小散形花序の苞葉。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 小散形花序の苞葉は線形で、果実期にも残っていることが多い。 |
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↑Fig.8 ハナウドの花。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 花は頂生のものは稔り、側生のものは雄性で稔らないものが多く、周辺花の外側の1花弁は大きくなり、2中裂する。 |
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↑Fig.9 訪花昆虫。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) ハナウドは開けた草原や原野に生育し、群生するため、遠くからでもよく目立ち、訪花昆虫を引き寄せる。 画像ではコアオハナムグリとモモブトカミキリモドキが写っている。 他にヒョウモンチョウの仲間、キタテハ、ヒメアカタテハ、ヒメジャノメ、ヒラタハナムグリ、ベニカミキリ、クロヒメハナノミなどが見られた。 |
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↑Fig.10 若い果実。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 果実は分果(双懸果)となり扁平で、広楕円形、無毛または有毛で、両端は浅くへこみ、背隆条は糸状で突起しない。 |
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↑Fig.11 熟す直前の果実。(兵庫県丹波市・林縁草地 2011.7/8) 果皮には背隆条と側隆条、画像からは見えない合生面があり、油管と内部の種子が透けて見える。 |
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↑Fig.12 熟した分果の合生面(左)と背軸面(右)。(兵庫県丹波市・林縁草地 2011.7/8) 果実は2分果からなり、各分果は小花柄の先に続く分果柄によって支えられて下垂し、1種子を包む。 分果はいちじるしく扁平で、背隆条は突起せず糸状、条間に油管があり、途中でとぎれる。 合生面には3個の隆条が突起し、2個の油管があり、これも途切れる。 |
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↑Fig.13 春先の出芽。(兵庫県篠山市・林縁草地斜面 2011.2/10) 出芽は同様な環境に生えるシシウドよりも少し早い。 この頃のやわらかい新葉は佃煮にして食べられるという。ただし、毒成分を含むので多食は避けるべきだろう。 長時間煮たり、漬け込んだりして毒成分を分解できるのかもしれないが、詳細は不明である。 |
生育環境と生態 |
Fig.14 河川堤防に群生するハナウド。(兵庫県丹波市・河川堤防 2011.5/25) 兵庫県東部では三田市から丹波地方にかけての河川堤防で、ハナウドの群生がよく見られる。 同所的にイタドリ、キツネアザミ、ノアザミ、ススキ、ヨモギ、セイヨウアブラナ、アキカラマツなどが見られた。 |
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Fig.15 水田の土手に生育するハナウド。(兵庫県丹波市・水田の土手 2011.5/25) ハナウドは里山の草地にもよく現われ、山際の草地や棚田や水田の土手などにも見られる。 ここでは圃場整備がなされた水田の土手に、スギナ、トボシガラ、ホソムギ、カモジグサ、オオスズメノカタビラ、ノビル、スイバ、ウマノアシガタ、 ヤハズエンドウ、ミミナグサ、オランダミミナグサ、ヨモギ、シロバナタンポポ、オニタビラコ、ノアザミなどとともに見られた。 |