ホラシノブ Sphenomeris chinensis  (L.) Maxon
  里山・路傍斜面のシダ ホングウシダ科 ホラシノブ属
Fig.1 (西宮市・用水路脇斜面 2011.2/2)

Fig.2 (西宮市・道路脇斜面 2012.9/23)

丘陵や低山の比較的日当たり良い路傍の斜面、切り通し、露岩などに生育する常緑性シダ。
根茎は硬く、短く横にはい、褐色の鱗片があり、葉を混みあってつける。
葉柄はやや太い針金状で、硬く、赤褐色で光沢があり、無毛。
葉身は厚く硬い草質で淡緑色、長さ10〜60cm、長楕円状披針形、3〜4回羽状複葉、鋭尖頭。
裂片は細長いくさび形〜広いくさび形。胞子嚢群は裂片の先端に1〜2個つき、苞膜はポケット状。
日当たり良い場所のものや、冬期には草体が赤紫色を帯びる。
近縁種 : ハマホラシノブ

■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 東アジア、マダガスカル〜ポリネシア
■生育環境:丘陵や低山の比較的日当たり良い路傍の斜面、切り通し、露岩、石垣など。

Fig.3 地上部標本。(西宮市・山道の切り通し 2011.2/2)
  葉柄は長く、太い針金状。葉身は3〜4回羽状複葉、羽片は細裂し、繊細な印象を与える。

Fig.4 羽片。(西宮市・山道の切り通し 2011.2/2)
  羽片はさらに小さな小羽片に細裂する。

Fig.5 裂片。(西宮市・山道の切り通し 2011.2/2)
  裂片はおおむねくさび形、先は円いか平坦となる。

Fig.6 裂片裏面。(西宮市・山道の切り通し 2011.2/2)
  胞子嚢群(ソーラス)はほぼ裂片先端部に1〜2個つき、苞膜はポケット状。

Fig.7 新葉。(京都府福知山市・林道の切り通し 2013.6/25)

生育環境と生態
Fig.8 疎水脇の岩壁に生育するホラシノブ。(西宮市・岩壁 2011.2/2)
疎水脇の乾いた岩壁に着生している集団。
表土の少ないこのような場所に生育しているものは小形の草体のものが多い。
反対に林縁などの腐植土が多く日陰となる場所では大形のものが多くなる。
岩壁にはノゲヌカスゲ、ナキリスゲ、ノガリヤス、コモチシダの若い個体、ヤマツツジなどが生育していた。


最終更新日:18th.Mar.2014

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