カシワバハグマ | Pertya robusta (Maxim.) Beauverd. | ||
里山・林縁・林床の植物 | キク科 コウヤボウキ属 |
Fig.1 (兵庫県三田市・林縁 2013.9/30) |
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Fig.2 (神戸市・雑木林の林床 2013.9/27) 丘陵〜山地、里山の林縁、乾いた林床などに生育する多年草。 地下茎は横にはい、結節がある。茎は硬くて直立し、高さ30〜70cm、分枝せず、上方にわずかに毛がある。 葉は茎の中央部にやや集まり、柄があり、卵状長楕円形、長さ10〜20cm、縁に粗い歯牙があり、両面と縁に毛がある。 頭花は穂状につき、総苞は長さ17〜27mm、外片は扁円形。小花は10個程度。花床には小穴があり、その縁には0.5〜1mmの毛を密生する。 痩果は無毛、長さ10〜11mm。冠毛は褐色を帯び、毛は不揃いで長さ13〜15mm。 変種ツクシカシワバハグマ(var. kiushiana)は葉幅が広く、頭花に柄があり、総苞の背に粉状の細毛がある。九州。 クルマバハグマ(P. rigidula)は葉が長倒卵形、頭花は円錐花序に10個内外つき、痩果は有毛、花床に毛がない。 オヤリハグマ(P. rigidula)は葉に長柄があり、3浅裂し、頭花は円錐花序に多数つき、痩果は有毛、花床に毛がない。 クルマバハグマは兵庫県北部にやや稀。オヤリハグマは本州の関東地方以北に分布する。 近縁種 : ツクシカシワバハグマ、クルマバハグマ、オヤリハグマ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:丘陵〜山地、里山の林縁、乾いた林床など。 ■花期:9〜11月 |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県三田市・林縁 2013.7/15) 葉には柄があり、葉質はやや硬い紙質、卵状長楕円形で、長さ10〜20cm、縁に粗い歯牙がある。 |
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↑Fig.4 穂状につく頭花。(神戸市・雑木林の林床 2013.9/27) ふつう頭花は長く伸びた花茎に穂状につき、茎頂には数個の頭花が、途中の軸上には苞葉の葉腋に1花ずつ付く。 |
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↑Fig.5 花茎の変異。(兵庫県三田市・林縁 2013.9/30) 時に花茎が伸びずに詰まっているものがあり、茎頂部に多数の頭花を付けている。 |
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↑Fig.6 頭花。(神戸市・雑木林の林床 2013.9/27) 総苞は長さ17〜27mm、外片は扁円形。小花は10個程度。 |
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↑Fig.7 頭花の拡大。(兵庫県三田市・林縁 2013.9/30) 頭花は10個程度(画像では12個)の筒状花からなり、先はふつう5深裂し、裂片はねじれている。 筒状花は頭花の外側から開花し、雄性先熟。画像では雄性期の筒状花にアリが花粉を漁りにきていた。 |
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↑Fig.8 雌性期の筒状花の並んだ頭花。(兵庫県三田市・スギ林の林床 2013.9/30) |
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↑Fig.9 若い個体。(兵庫県三田市・林縁 2013.9/6) |
生育環境と生態 |
Fig.10 雑木林の林床に点在するカシワバハグマ。(神戸市・雑木林の林床 2013.9/27) コナラ、アベマキ、アカマツ、ソヨゴなどからなる雑木林の北向き斜面の林床に100個体ほどが点在している。 林床には同所的にタチドコロ、トキワイカリソウ、アリマイトスゲが多く見られるほか、ナツフジ、ヤブラン、ジャノヒゲ、フタリシズカ、 コウヤボウキ、ナンゴクナライシダ、シシガシラなどが生育している。 |