ゲジゲジシダ Thelypteris decursivepinnata  (van Hall) Ching.
  里山・草地・斜面のシダ ヒメシダ科 ヒメシダ属
Fig.1 (西宮市・疎水の石垣 2010.7/9)
低地〜低山のやや湿った草地、斜面、土崖に生育する夏緑性シダ。
根茎は短く斜上し、葉を束生する。葉は有柄でやわらかい草質、長さ30〜60cm。
葉柄は葉身の約1/2長、線状披針形で縁に毛のある鱗片がある。
葉身は披針形で、上下の両端は次第に狭くなり、鋭尖頭、、1回羽状複葉、下部に向かって羽片は小さくなり最下付近では耳状となる。
葉身中軸はじぐざぐ状の翼がつき、他種に見られない独特の特徴を持つ。羽片は針状線形、互生して開出し、さらに浅〜深裂する。
裂片は鈍頭、全体に毛があり、裏面にはさらに星状毛も混じる。
胞子嚢群(ソーラス)は裂片の縁近くにつき、苞膜はごく小さく、多数の毛があり早落性である。
近縁種 : 

■分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮南部、台湾、中国、インドシナ、インド
■生育環境:低地〜低山のやや湿った草地、斜面、土崖など。

Fig.2 地上部標本。(西宮市・棚田の土手 2009.12/4)
  葉は有柄で披針形、質はやわらかく草質。葉身中軸にじぐざぐ状の翼がある。
  中軸のじぐざぐ状の翼は他のシダには見られない特徴であり、同定に苦労することはない。

Fig.3 葉身の一部。(西宮市・棚田の土手 2009.12/4)
  羽片は針状線形、互生して開出し、さらに浅〜深裂する。

Fig.4 羽片裏面と中軸。(西宮市・棚田の土手 2009.12/4)
  胞子嚢群(ソーラス)は裂片の縁近くの切れ込み付近につき、円形。苞膜はごく小さく、早落性。
  葉身の中軸には線状披針形の鱗片がつく。鱗片は拡大すると縁に毛がある。
  裂片は全縁またはやや波状で、鈍頭。

生育環境と生態
Fig.5 棚田の土手に群生するゲジゲジシダ。(西宮市・棚田の土手 2009.12/4)
ススキ、チガヤを主体とする棚田の土手に群生している。
土手にはワレモコウ、アキノキリンソウ、ツリガネニンジン、ノアザミ、ツルボ、ヒガンバナなどの草原性植物が多く見られる。

Fig.6 棚田の土手下部の用水路脇に生育するゲジゲジシダ。(西宮市・用水路脇 2010.6/24)
よく刈り込まれたネザサ主体の棚田の土手の下を流れる用水路脇に生育している。
ここではノアザミ、ウツボグサ、コマツナギ、コウゾリナ、カンサイタンポポ、キツネノマゴなどが生育している。

Fig.7 林道脇の素掘りの溝周りに生育するゲジゲジシダ。(兵庫県三田市・林道脇 2010.4/30)
半日陰〜向陽地の林道脇の溝に沿って線状に群生していた。
同所的にイタドリ、ヤノネグサ、コメガヤ、マスクサ、アオスゲ、スイカズラ、ニガナ、ゼンマイ、ヒメジョオンなどが見られた。


最終更新日:24th.Jan.2011

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