ケチョウチンゴケ Rhizomnium tuomikoskii  T.J.Kop.
  里山・低山・山地の蘚類 チョウチンゴケ科 ウチワチョウチンゴケ属
Fig.1 (兵庫県三田市・溜池跡湿地 2011.4/8)

Fig.2 (西宮市・渓流岩上 2011.3/5)

低山〜山地、里山の渓流や湧水地の岩上や倒木上に群生し、丸みのあるうちわ状の葉を持った、やや大型の蘚類。
茎は直立し、成熟したもので長さ1〜3cm、若い茎は赤いこともあるが、ふつうは全面に黒褐色の仮根が密生する。
仮根はしばしば葉の上にまで広がり、仮根の先に立ち上がった、多細胞で糸状の無性芽を沢山つける。
葉は茎の途中ではまばらに、頂部には集まってつく。
上部の葉は長さ4.5〜6mm、幅広い倒卵形、またはうちわ形で基部が狭く、ふつう先端には小さな突起がある。
中肋は多くの場合葉頂に届くが、ときに届かないこともある。
葉縁は全縁で、2〜5列の細長い厚膜の細胞で縁取られる。葉の基部は茎の上に細く下延する。
葉身細胞はやや長い6角形、長さ55〜100μ、幅45〜80μ、膜は一様に肥厚する。
雌雄異株であるがよく凾つける。剳ソは茎頂から1本でて細く、長さ3〜5cm。
凾ヘ卵形で、傾くか下垂する。蓋には長い嘴がある。
近縁種 : スジチョウチンゴケ、コウチワチョウチンゴケ

■分布:本州、四国、九州 ・ 極東ロシア、中国、、ヒマラヤ
■生育環境:低地〜山地、里山の渓流や湧水地の岩上や倒木上など。

Fig.2 地衣体は樹状に伸び、赤色を帯びる。(兵庫県篠山市・社寺のスギ大木 2011.3/8)

Fig.3 標本。(兵庫県篠山市・社寺のスギ大木 2011.3/8)

Fig.4 地衣体の表面。(兵庫県篠山市・社寺のスギ大木 2011.3/8)

生育環境と生態
Fig.5 スギの大木の根元近くに着生するアカサルオガセ。(兵庫県篠山市・社寺のスギ大木 2011.3/8)
ホソバオキナゴケや地衣類が密生するスギの樹皮上に多数の地衣体が着生していた。


最終更新日:26th.Mar.2011

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