キヨスミイトゴケ Barbella asperifolia  Card.
  里山・低地・山地の蘚類 ハイヒモゴケ科 イトゴケ属
Fig.1 (兵庫県丹波市・果樹園 2011.3/29)

Fig.2 (兵庫県篠山市・社寺境内の植え込み 2013.1/27)

低地〜山地、里山などの湿度の高い場所の樹枝から垂れ下がる糸状の蘚類。
茎ははい、羽状に分枝する。
茎や枝の基部の葉は大きくて、やや扁平につくが、懸垂部の葉は小形で枝に接し、鮮緑色で、多少絹のような光沢がある。
枝基部の葉は卵状楕円形の基部から、細くしだいにとがり、長さ2〜2.5mm、中肋は細く、葉の中央以上で消える。
葉先近くの縁には小さな目立たない鋸歯がある。葉身細胞は線形または長いひし形でやや暗く、長さ60〜80μ、中央に1個の乳頭がある。
翼細胞は方形〜矩形で膜が厚い。枝の懸垂部の葉は枝にゆるくつき毛糸上、先は細く、糸状に伸びる。
雌雄異株で、ごくまれに凾つけ、剳ソは枝の基部につき、長さ2.5〜3mm。
凾ヘ苞葉よりもずっと上に出て円筒形、褐色、相称、蓋には鋭い嘴がある。
外剋浮ヘ線状披針形で淡黄色、細かい乳頭で覆われる。
近縁種 : イトゴケ、トサノサガリゴケ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 台湾、東南アジア、オセアニア
■生育環境:低地〜山地、里山の湿度の高い場所にある樹枝など。

Fig.3 茎は基物をはって、羽状に分枝する。(兵庫県丹波市・渓流畔の樹枝 2011.3/29)

Fig.4 茎につく葉。(兵庫県丹波市・渓流畔の樹枝 2011.3/29)
  茎や枝の基部の葉は大きくて、やや扁平につく。

Fig.5 懸垂部の枝。(兵庫県丹波市・渓流畔の樹枝 2011.3/29)
  懸垂部の枝は細く、多少光沢がある。

Fig.6 懸垂部の小枝につく葉。(兵庫県丹波市・渓流畔の樹枝 2011.3/29)
  懸垂部の葉は小形で枝に接し、葉先は長く糸状に伸び、葉先近くの縁にはわずかに鋸歯が見える。

生育環境と生態
Fig.7 社寺の植え込みのツツジから下垂するキヨスミイトゴケ。(兵庫県篠山市・社寺の植え込み 2011.3/29)
丹波地方では比較的多雪で降水量が多いためか、やや乾いたような場所でもキヨスミイトゴケがよく見られる。
山間の渓流畔などではごく普通に見られる。


最終更新日:6th.Mar.2014

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