コカンスゲ | Carex reinii Franch. et Sav. | ||
山地・林床の植物 | カヤツリグサ科 スゲ属 コカンスゲ節 |
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Fig.1 開花期(西宮市・林道脇斜面 2008.4/10) 山地の落葉樹林下の斜面に生育する多年草。 匐枝を伸ばして栄養繁殖し、群生することが多い。基部の鞘は暗褐色でのちに繊維に分解する。 葉は常緑で硬く、幅3〜7mm、深緑色で、上半部の縁は上向きに、下半部の縁は下向きに強くざらつく。 有花茎は高さ30〜60cm。小穂はまばらにつけ、長い柄があり、ときに1節に2〜3個の小穂をつけることもある。 苞は葉身がきわめて短く、有鞘。頂小穂は雄性または雄雌性。側小穂は雄雌性で、雄花部はふつう雌花部よりも長く、長さ2〜5cm。 雌鱗片は雌鱗片は濃褐色で果胞の約1/2の長さ。果胞は長さ5〜6mmで有毛。 痩果は頂部に板状の付属体があり、基部はしだいに狭くなって柄状。柱頭は3岐する。 近縁種 : フサカンスゲ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:山地の落葉樹林下の斜面など。 ■果実期:4〜5月 |
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↑Fig.2 全草標本。(西宮市・林道脇斜面 2010.5/17) 匐枝を伸ばす。葉は常緑で硬く深緑色。 |
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↑Fig.3 基部。(西宮市・林道脇斜面 2010.5/17) 匐枝は地表性で、親株から複数個出ることが多い。基部の鞘は暗褐色、のちに繊維に分解し、基部の下方を包む。 |
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↑Fig.4 花序。(西宮市・林道脇斜面 2009.4/21) 頂小穂は雄性だが、しばしば雄雌性となる。側小穂は雄雌性。1節に1〜3個つき、柄がある。 果胞は熟すと斜開し、長さ5〜6mmで有毛。雌鱗片は濃褐色で、果胞の約1/2。 |
生育環境と生態 |
Fig.5 落葉樹林下の斜面に群生するコカンスゲ。(西宮市・林道脇斜面 2010.5/17) コカンスゲは匐枝で盛んに栄養繁殖するため、斜面でマット状に群生していることが多い。 このような群落では前年の株から当年の新鞘が少し上に伸びて基部が浮上し、そこから匐枝を伸ばすため、株と地表の間に空間ができていることが多い。 |