コメガヤ | Melica nutans L. | ||
里山・林床・林縁の植物 | イネ科 コメガヤ属 |
Fig.1 (西宮市・雑木林の林縁 2010.5/16) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・道路脇斜面 2013.5/13) 丘陵〜山地のやや乾いた疎林の林床や林縁に生育する多年草。 細い根茎があってまばらに叢生し、茎は細く直立し、高さ20〜50cm。 葉は線形で、長さ5〜15cm、幅2〜5mm、脈は明瞭、表面基部近くに短毛がある。両面の脈状に上向きの刺状突起がありざらつく。 有花茎は断面円形で中空、稜があり、稜上は下向きにざらつく。花序は総状で長さ8〜15cm、5〜10個の小穂をまばらにつける。 小穂は長さ6〜8mm、楕円形で白緑色または紫色を帯び、枝の上方に細毛がある。 両性小花は2個、退化小花は2個あって、互いに相抱いて棍棒状となる。 【メモ】 小穂の外見からコメガヤの名が生じたもので、イネ科の中でも覚えやすいもののひとつ。 ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ ユーラシアの温帯 ■生育環境:丘陵〜山地の明るい林床や林縁など。 ■花期:5〜7月 |
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↑Fig.3 全草標本。(西宮市・雑木林の林縁 2010.5/16) |
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↑Fig.4 花序。(西宮市・雑木林の林縁 2008.4/28) 花茎は細く繊細。花序は総状で、米粒のような小穂をやや下垂または斜上して、まばらに数個つける。 |
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↑Fig.5 小穂を展開。(西宮市・雑木林の林縁 2010.5/16) 2個の苞頴に包まれた中には、両性小花と退化小花が2個づつあり、上部に退化小花が、下部に両性小花がつく。 |
生育環境と生態 |
Fig.6 林縁に群生するコメガヤ。(西宮市・雑木林の林縁 2010.5/16) コメガヤは明るい林床や雑木林の林縁で群生していることが多く、アカマツの疎林の林床で純群落をつくっている場所もある。 |
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Fig.7 木洩れびの当たる道端に生育するコメガヤ。(西宮市・山間の道端 2010.5/16) アカマツ−コナラ林が優勢な、やや乾いた山間の半日陰の道端にヨモギ、ニガナ、ミヤマナルコユリなどとともに生育していた。 |
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Fig.8 道路脇の切り開き斜面に生育するコメガヤ。(兵庫県篠山市・道路脇斜面 2013.5/13) 露岩がむき出しになっている日当たりよい切り開きの法面にコメガヤが群生していた。 法面は湿り気があり、画像に見えるクマワラビのほか、イノデ、ベニシダ、トウゴクシダ、イノデ、イヌガンソクなどが生育していた。 |