クジャクゴケ | Hypopterygium fauriei Besch | ||
山地・岩上の蘚類 | クジャクゴケ科 クジャクゴケ属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) 山地の湿った岩上や腐植質上に群生する蘚類。 第1次茎ははい、第2次茎は立ち上がって、高さ1.5〜2.5cm、上部で多くの枝を同一平面上に団扇状に広げる。 枝は左右2列の側葉と腹葉とが規則正しく並ぶ。側葉は卵形または卵状楕円形で非対称、長さ1.5mm前後、鋭尖頭。 中肋は葉身の約2/3で終わる。葉縁には2列の細長い細胞からなる舷があり、先端近くおよび葉身の幅広い側の基部近くまで細鋸歯が並ぶ。 腹葉は側葉よりもはるかに小さく、丸みを帯び、左右対称、葉先は急にとがり、中肋は突出部に終わり、葉先付近に小さな鋸歯がある。 雌雄同株で凾よくつける。剳ソは茎の上部に1〜5個つき、褐色〜赤褐色、長さ2〜3cm。 凾ヘ水平、またはやや下垂し、卵形で赤褐色、やや非対称。蓋には長い嘴がある。 口環はあまり分化しない。外剋浮ヘ披針形、下部は黄褐色で密に横条があり、上部は透明で大きな乳頭がある。 近縁種 : ヒメクジャクゴケ、シナクジャクゴケ ■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 北米西部 ■生育環境:山地の湿った岩上や腐植質上など。 |
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↑Fig.2 全草標本。(兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) 第1次茎ははい、分枝した第2次茎は直立し、上部で多くの枝を同一平面上に団扇状に広げる。 |
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↑Fig.3 第2次茎。(兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) 下部は糸状の仮根に覆われる。剳ソは茎の上部に1〜5個つき、褐色〜赤褐色、長さ2〜3cm。 |
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↑Fig.4 第2次茎の側葉。(兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) |
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↑Fig.5 分枝した枝の側葉。(兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) 側葉は卵形または卵状楕円形で非対称、長さ1.5mm前後、鋭尖頭。中肋は葉身の約2/3で終わる。 先端近くおよび葉身の幅広い側の基部近くまで細鋸歯が並ぶ。 |
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↑Fig.6 凵B(兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2011.4/29) 凾ヘ水平、またはやや下垂し、卵形で、赤褐色。外剋浮ヘ披針形、下部は黄褐色で密に横条がある。 |
生育環境と生態 |
Fig.7 山地渓流の多湿の砂防ダム壁面で群生するクジャクゴケ。(兵庫県篠山市・渓流の砂防ダム 2011.4/29) ウチワゴケやコウヤコケシノブ、カタヒバなどが見られる多湿の渓流にある岩上や砂防ダムの壁面に群生している。 |