マルバスミレ Viola keiskei  Miq.
  山地・林床・林縁・斜面の植物 スミレ科 スミレ属
Fig.1 (兵庫県香美町・疎林の斜面 2015.5/12)

Fig.2 (兵庫県香美町・温帯林の林床 2015.5/12)

丘陵〜山地の向陽〜半日陰地の崩れやすい斜面や落葉樹林下などに生育する多年草。
葉は柔らかく、ふつう毛があり、円心形、円頭、鈍鋸歯があり、長さ2〜4cm、基部は深い心形。
花柄は長さ5〜10cm。花はふつう白色ときに淡紅色を帯び、径2cm前後、花弁の長さ10〜14mm。
萼片は長楕円状披針形で耳に歯牙がある。側弁は無毛、唇弁に紫条があり、距は長くて太く、長さ6〜7mm。

近縁種 : ヒカゲスミレ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国、シベリア
■生育環境:丘陵〜山地の向陽〜半日陰地の崩れやすい斜面や落葉樹林下など。
■花期:4〜5月

Fig.3 開花期の葉。(兵庫県養父市・林縁の斜面 2014.5/14)
  葉は柔らかく、ふつう毛があり、円心形、円頭、鈍鋸歯があり、長さ2〜4cm、基部は深い心形。

Fig.4 花。(兵庫県養父市・林縁の斜面 2014.5/14)
  花はふつう白色ときに淡紅色を帯び、径2cm前後、花弁の長さ10〜14mm。
  兵庫県但馬地方のものは、花弁が他の地方のものよりも細い。

Fig.5 花の中心部。(兵庫県養父市・林縁の斜面 2014.5/14)
  側弁は無毛、唇弁に紫条がある。花柱の上部はカマキリの頭状となる。
  側弁に毛のあるものも見られ、品種ヒゲケマルバスミレ(f. barbata)とされる。

Fig.6 横から見た花。(兵庫県養父市・林道の斜面 2013.5/8)
  距は長くて太く、長さ6〜7mm。萼片は長楕円状披針形で耳に歯牙がある。花柄は長さ5〜10cm、無毛または有毛。

Fig.7 刮ハ。(兵庫県養父市・林道の斜面 2016.5/12)
  刮ハは楕円形〜倒卵状楕円形で、黄緑色、濃紫色の斑点がある。

Fig.8 花後の葉。(兵庫県香美町・棚田の土手 2014.6/15)
  花後の葉は少し大きくなる。

Fig.9 秋の草体。(兵庫県香美町・落葉広葉樹林 2015.10/30)
  葉柄が長く伸び、ロゼット状になる。

Fig.10 秋の葉の葉表。(兵庫県香美町・落葉広葉樹林 2015.10/30)
  葉柄がには毛があり、葉表の脈上にも毛が見られた。

Fig.11 秋の葉の葉裏。(兵庫県香美町・落葉広葉樹林 2015.10/30)
  脈上の毛は葉表よりも顕著。

Fig.12 秋の閉鎖花の熟す直前の果実。(兵庫県香美町・落葉広葉樹林 2015.10/30)

生育環境と生態
Fig.13 林縁斜面に生育するマルバスミレ。(兵庫県養父市・林縁の斜面 2014.5/14)
ブナを主体とする温帯林林縁の半日陰の斜面に多数の個体が生育していた。
同所的にオオタチツボスミレ、ニョイスミレ、シシウド、ヒトリシズカ、コハコベ、ドクダミ、ヤマルリソウ、カキドオシ、アキノタムラソウ、
アキチョウジ、コナスビ、ツルリンドウ、オオカニコウモリ、アザミsp.、チゴユリ、ミヤマカンスゲ、スギナなどが生育している。

Fig.14 林道の法面裸地に点在するマルバスミレ。(兵庫県養父市・林道の斜面 2013.5/8)
裸地状のもろい斜面に生育しているもので、他にはミヤマカタバミ、小さなフキ、ツルアジサイの幼木がわずかに見られる。

Fig.15 温帯林の林床に生育するマルバスミレ。(兵庫県養父市・林道の斜面 2016.5/12)
トチノキの大木、ミズナラ、ナナカマドなどが生育する温帯林の林床斜面に数多くのマルバスミレが生育していた。
マルバスミレの開花時はまだ樹木の葉が展葉途上で、疎林中に居るような木漏れ日の多い環境だが、夏場がかなり薄暗く冷涼な環境となる。
同所的には画像に見えるイチリンソウ、スイバ、ミミナグサのほか、サカゲイノデ、ジュウモンジシダ、オシダ、ミヤマジュズスゲ、エンレイソウ、
コケイラン、フタバアオイ、コモチイラクサ、オオタチツボスミレ、スミレサイシン、アケボノスミレ、キンキエンゴサク、ラショウモンカズラ、
フキ、モミジガサ、オタカラコウなどが生育し、トチノキの樹幹にはイワオモダカ、ミヤマノキシノブ、オシャグジデンダ、シノブが着生していた。


最終更新日:22nd.Aug.2016

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