メガルカヤ | Themeda triandra Forsk. var. japonica (Willd.) Makino |
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里山・草地の植物 | イネ科 メガルカヤ属 |
Fig.1 (兵庫県三田市・溜池土堤 2010.8/24) |
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Fig.2 (兵庫県姫路市・溜池土堤 2011.9/11) 日当たり良い草地や溜池土堤、棚田の土手、河川堤防などに生育する多年草。 節くれ立った根茎があり、叢生する。茎は直立し、硬く、高さ70〜100cm。 葉は幅3〜8mm、長さ30〜50cm、脈間に長毛がまばらに生え、基部近くほど毛は多い。 葉舌は厚膜質または革質で、高さ1.5〜2mm、先は不整な歯牙状となり、直毛が生える。 葉鞘には長毛がまばらに生え、縁は重なり合う。節はふくらみ、無毛。 総は扁平、茎上部の葉腋から出た枝の先につく。枝の先には数個の苞状葉があり、それぞれの苞状葉の内側に6個の小穂がある。 苞状葉内側には1個の無柄の両性小穂、2個の有柄の雄性小穂、これらを取り巻く4個の無柄の雄性小穂がある。 両性小穂の第1苞頴は革質で光沢があり有毛、縁は内折して第2苞頴を固く抱く。第2苞頴は膜質で無毛。 両性小穂内には2小花があり、うち第2小花の護頴は長さ5〜6cm内外の長く太い紫黒色のねじれた芒となる。 近縁種 : メリケンカルカヤ ■分布:本州、四国、九州 ・ 東アジア、インド、アフリカ ■生育環境:日当たり良い草地や溜池土堤、棚田の土手、河川堤防など。 ■花期:8〜11月 |
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↑Fig.3 全草標本。(西宮市・棚田の土手 2010.11/20) 茎は直立し、葉は根際から束生せず、茎につく。葉や葉鞘、苞状葉などに長毛が見られる。節は無毛。 |
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↑Fig.4 茎上部につく総。(西宮市・棚田の土手 2010.11/20) 総は葉腋から出た短い枝先につく。 |
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↑Fig.5 総。(西宮市・棚田の土手 2010.11/20) 数個の苞状葉からなる。苞状葉内には6個の小穂が一組となってつく。最外の大きな苞葉の縁近くには多くの長毛が生える。 |
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↑Fig.6 取り出した1個の苞状葉。(西宮市・棚田の土手 2010.11/20) 短い柄があり、6個の小穂群を包む。苞状葉の間から2個の無柄の雄性小穂と、長い芒のある両性小穂の先がのぞいている。 |
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↑Fig.7 苞状葉とその内部の小穂群。(西宮市・棚田の土手 2010.11/20) 無柄の両性小穂1個と有柄の雄性小穂1個が、4個の無柄の雄性小穂に囲まれてつく。 小穂は2小花からなり、両性小穂の第2小花の護頴は長いねじれた芒となる。 芒のねじれは乾湿によって締まったり緩んだりし、降雨があると急速に緩んで、その勢いによって小穂が地表に突き刺さる。 イネ科植物の多くのねじれた芒にはこのような仕組みがある。 |
生育環境と生態 |
Fig.8 溜池土堤に群生するメガルカヤ。(兵庫県加西市・溜池土堤 2010.11/10) メガルカヤは年に1〜3回程度草刈りされるような草地に多い。 このような草刈りの条件を満たす場所として溜池土堤はぴったりで、兵庫県下では溜池土堤で見かける機会がもっとも多い。 この溜池では堤体の多くの部分がメガルカヤによって占められていた。 都市近郊では草刈りされるような場所がなくなり、メガルカヤを見かけることはほとんどなくなってしまった。 |
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Fig.9 農耕地の土手に生育するメガルカヤ。(兵庫県加東市・農耕地の土手 2011.11/14) 農耕地の土手の中部〜上部の乾いたススキ草原にメガルカヤが点在していた。 自然度の高い場所では、メガルカヤは農地の土手や道端にも出現することがある。 同所的にワラビ、チガヤ、ヤマラッキョウ、ワレモコウ、ツクシハギ、イタドリ、ツリガネニンジン、リンドウ、アキノキリンソウ、 ノアザミ、オミナエシなどの草原性植物が多く生育していた。 |