ナガバヤブソテツ Cyrtomium devexiscapulae  (Koidz.) Ching
  里山・林床・林縁の植物 オシダ科 ヤブソテツ属
Fig.1 (西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)
海岸から離れた丘陵〜低山の林床や林縁に生育する常緑性シダ。
オニヤブソテツに酷似し、区別が困難な場合も多い。
オニヤブソテツよりも葉質がやや薄く、基部は広いくさび形となるものが多く、葉裏の脈が目立たないものが多い。
羽片の基部にはゆるい耳片があるか、または無く、先端部は全縁となる。
羽片の縁はふつう全縁であるが、ときに不整に深く切れ込んで、ヤマヤブソテツの品種のノコギリヤマタブソテツのようになることもある。

【メモ】 ヤブソテツの仲間は非常に区別が難しく、このページのものもオニヤブソテツなのかナガバヤブソテツなのか随分迷った。
     内陸部に生育していた、オニヤブソテツほど青味が強くない、羽片の基部がくさび形などの点からナガバヤブソテツとしたが、自信はない。
     もし間違っていれば、ご指摘いただければ大変ありがたいです。
近縁種 : ヤブソテツ、オニヤブソテツ、ヤマヤブソテツ

■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国
■生育環境:里山の林縁、樹林内など。

Fig.2 葉の標本。(西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)
  羽片には光沢があり、オニヤブソテツよりも細い。葉柄基部には鱗片が密生する。

Fig.3 葉柄基部に密生する鱗片。(西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)
  鱗片は濃褐色、広卵形〜卵形の大きな鱗片と線形の細い鱗片が混じる。
  大きな鱗片は長さ10mm強、縁はあまりささくれたりせず、毛もほとんど見られない。

Fig.4 羽片の基部。(西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)
  羽片の基部は広いくさび形、耳片はあまり発達しない。

Fig.5 最下羽片。(西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)
  葉縁下部から中部にかけてははっきりと切れ込んだ鋸歯が見られるが、葉先近くには鋸歯が見られない。

Fig.6 葉裏にはソーラスが見られたが、すでに苞膜は脱落していた。(西宮市・雑木林の林縁 2009.12/4)

生育環境と生態
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最終更新日:20th.Jan.2011

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