ナルトサワギク | Senecio madagascariensis Poiret | ||
原野の植物・帰化植物 特定外来生物指定種 |
キク科 キオン属 |
Fig.1 (西宮市・武庫川河川敷 2010.5/5) 原野、海岸、草地、林縁、疎林の林床など、いたるところに侵入している1年草または多年草。 アフリカ南部原産で、アフリカ、オーストラリア、南アメリカなどに帰化している。 茎は無毛、基部近くで多数分枝して大きな株をつくり、枝は直立、叢生し、高さ30〜70cmになる。 葉は互生し、変異が多いが、ふつう無柄、中〜上部の葉は線状披針形〜披針形、長さ3〜9cm、幅1〜1.5cm、鈍頭または鋭頭。 基部は茎を抱くことが多く、葉縁には少数の、ときに不整となる浅い鋸歯があり、葉面は無毛。 頭花は径2〜2.5cm、少数が散房状に散生する。総苞は長さ5〜6mm、数個の小さな総苞副片がある。 舌状花はふつう13個、濃黄色、長さ約1cm。筒状花は舌状花と同色。 冠毛は白色で、舌状花では花筒部よりも短い。痩果は長さ約2mm。 【メモ】 本種は2006年に特定外来生物に指定され、栽培・移動などが禁じられている。 西宮市内では武庫川河川敷に定着しているほか、丘陵部の畑地でも確認した。 淡路島ではいたるところでほぼ通年開花しており、毒性があるためシカの食害を受けることなく、疎林下にも群生が見られる。 旺盛な繁殖力とともに、アレロパシー活性があり、群生すると他種の侵入を許さない。 近縁種 : マツバサワギク ■分布:本州(中部以西)、四国に帰化 ・ 南アフリカ原産 ■生育環境:里原野、海岸、草地、林縁、疎林の林床など、いたるところ。 ■花期:4〜12月 |
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↑Fig.2 茎と葉。(西宮市・武庫川河川敷 2010.5/5) 茎、葉ともに無毛。茎の中〜上部につく葉は、線状披針形〜披針形、鋭頭または鈍頭、縁には不整な浅い鋸歯がまばらにある。 無柄のものが多く、その場合基部は多少とも茎を抱く。 |
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↑Fig.3 開花したナルトサワギク。(兵庫県南あわじ市・空地 2010.4/10) 頭花は径2〜2.5cm。舌状花はふつう13個、濃黄色、長さ約1cm。筒状花は舌状花と同色。 |
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↑Fig.4 冬期でも盛んに開花結実する。(南あわじ市・溜池土堤 2010.12/1) 冠毛は白色で、舌状花では花筒部よりも短い。 |
生育環境と生態 |
Fig.5 溜池土堤に群生するナルトサワギク。(南あわじ市・溜池土堤 2010.12/1) 自然度の高い地域であるが、シカの食害の激しい地域でもあり、本来溜池土堤に出現するツリガネニンジンやワレモコウはほとんど見られず、 ススキとナルトサワギク、同様にシカの不嗜好植物であるコガンピばかりが目立っており、特にナルトサワギクが大きな群落をつくっていた。 |