ナツフジ Millettia japonica  (Sieb. et Zucc.) A. Gray
  里山・林縁・草地の植物 マメ科 ナツフジ属
Fig.1 (西宮市・棚田土手林縁 2007.8/4)
里山や丘陵、低山の林縁や草地、土手などにやや普通な落葉つる性の木本。
茎はS巻きで細長く伸びて3m以上になる。
葉は互生し、有柄、5〜7対の小葉のある奇数羽状複葉、長さ10〜30cm。
小葉は卵形または長卵形、両面ともほとんど無毛、上部は次第に細くなって、先端は凹形で、微突起がある。
花序は総状で、葉腋につき、長さ10〜30cm、多数の白色〜淡黄緑色の蝶形花をつける。
花は長さ13〜15mm、萼は釣鐘形で、先は浅5裂。旗弁は倒卵形、翼弁は細長く、竜骨弁は前方で癒合する。
豆果は無毛、長さ6〜9cm、中に扁平円形の種子を多数生じる。

【メモ】 比較的よく見かけるつる性の木本であるが、かなり年数を経た大株でないと開花しないようで、そのような株が生育する場所は限られる。
■分布:本州(中部以西)、四国、九州
■生育環境:里山や丘陵、低山などの林縁、草地、土手など。
■花期:7〜8月

Fig.2 フェンスに絡みつくナツフジ。(西宮市・林縁 2009.8/28)
  フェンスの支柱には茎がS巻きで巻きついている。葉は奇数羽状複葉で、両面共にほとんど無毛。

Fig.3 花序。(兵庫県加西市・林縁 2011.7/22)
  花序は総状花序で、基部側から開花する。

Fig.4 花。(兵庫県加西市・林縁 2011.7/22)
  萼筒は釣鐘形で先は浅5裂し、基部に1対の小さな披針形の苞葉がある。
  花は蝶形花で約15mm、白色〜淡黄緑色、2個の竜骨弁の間から、10個の雄蕊と1個の雌蕊が出る。

Fig.5 訪花したオオハキリバチ。(兵庫県篠山市・林縁 2010.8/5)
  花弁の間に長い舌を差し入れて吸蜜している。

Fig.6 豆果。(兵庫県篠山市・林縁 2010.8/5)
  フジもそうだが、ナツフジも沢山の花をつける割に結実率は悪い。
  豆果は細長い円柱形で無毛、長さ6〜9cm、中に扁平円形の種子を多数生じる。

生育環境と生態
Fig.7 里山の畦に切り残されたヒサカキに這い登って開花するナツフジ。(西宮市・水田の畦 2010.7/9)
ナツフジは水田の畦や農地の土手にも出現する。それどころか県南東部では棚田の常在種といってもよいぐらいである。
しかし、頻繁に刈り込みに遭うため開花が見られることはまずない。画像のように畦に低木が残され、運良くそこに這い登った個体だけが開花できる。

Fig.8 草深い土手に生育するナツフジ。(兵庫県加西市・墓地の土手 2011.7/22
ここではあまり草刈されていない草地土手に茎わせて長く伸び、分枝した枝に多くの花をつけていた。


最終更新日:27th.Feb.2014

<<<戻る TOPページ