ナワシロイチゴ Rubus parvifolius  L.
  里山・林縁の植物 バラ科 キイチゴ属
Fig.1 (西宮市・道端の草地 2010.5/27)

Fig.1 (西宮市・林道脇 2010.7/12)

日当たり良い道端、草地、土手などに生育する落葉小低木。
枝には鉤刺を散生する。幼枝は細毛に覆われる。
葉は花枝には3小葉、徒長枝には5小葉のものがつく。
頂小葉はひし状円形または広倒卵形、円頭、ときに3裂し、縁には粗い欠刻と鋸歯がある。
裏面は細毛に覆われ灰白色。托葉は短い。
花枝は数葉をつけ、先は総状または散房状の花序になる。花軸には密に細毛があり、刺もある。
小花柄は長く、長さ1〜5cm、上へ向かう。萼の背面は細毛をしき、萼筒から萼裂片の基部へかけて刺がある。
花弁は紅紫色、倒卵形、長さ5〜7mm、萼裂片とほぼ同長、直立し、開かない。
果実は球形で赤熟。小核果はやや大きい。
近縁種 : ウラジロイチゴ(エビガライチゴ)

■分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、中国
■生育環境:里山の林縁、落葉広葉樹の疎林内など。
■花期:5〜7月

Fig.2 葉。(西宮市・道端の草地 2010.5/27)
  葉は3小葉のものと、5小葉のものとがあり、徒長枝の中〜下部の葉は5小葉となる。
  画像ではピンボケとなっているが、下の葉は5小葉となっているのがわかる。

Fig.3 花枝。(西宮市・道端の草地 2010.5/27)
  花枝には3小葉の葉がつく。先は総状または散房状の花序になる。

Fig.4 ナワシロイチゴの花。(西宮市・道端の草地 2010.5/27)
  花弁は紅紫色、長さ5〜7mm、萼裂片とほぼ同長、直立し、開かない。
  萼の背面には細毛が生え、白味を帯びている。

Fig.5 果実。(西宮市・道端の草地 2010.7/12)
  果実は球形で赤熟。小核果はやや大きい。
  鳥などに食べられるため、果実がたわわに稔っているのはあまり見かけず、食べ後が残っていることが多い。

生育環境と生態
Fig.6 林道脇の林縁に生育するナワシロイチゴ。(西宮市・林縁 2010.5/27)
林縁に生育するものは、徒長枝が他の植物へとはい登って開花結実していることが多い。

Fig.7 林道上に進出したナワシロイチゴ。(西宮市・林道脇 2010.7/12)
前年の徒長枝が林道上にふして伸びており、そこからまばらに花枝をあげて結実している。

Fig.8 鉄道の石垣に垂れ下がって生育するナワシロイチゴ。(西宮市・鉄道の石垣 2011.5/21)
鉄道の盛り土補強の石垣に沢山のナワシロイチゴが垂れ下がって生育していた。
盛り土ではチガヤが優占し、ナワシロイチゴ、アオツヅラフジ、センニンソウ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、カモジグサ、イヌムギなどが見られた。


最終更新日:5th.Oct.2014

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