ワチガイソウ | Pseudostellaria heterantha (Maxim.) Pax | ||
山地・渓流の植物 兵庫県RDB Cランク種 |
ナデシコ科 ワチガイソウ属 |
Fig.1 (兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 山地の渓流畔や湿った落葉樹林下に生育する多年草。 地下にやや肥厚した根が1〜3個ある。茎は下部で枝を分けて直立し、1〜2列の毛列があり、高さ8〜15cm。 葉は卵状披針形〜倒披針形、長さ10〜40mm、幅2〜4mm、鋭頭、基部は細いくさび形、まばらに毛がある。 花は上部の葉腋から細長い柄を出して単生し、また、柄のある閉鎖花を茎下部の葉腋につける。 萼は線状披針形〜長楕円形、鋭頭または鈍頭、毛があり、長さ3〜6mm。 花弁は白色、ふつう倒卵形で、長さ約6mm。雄蕊10個。花柱2〜3個。閉鎖花は少ない。 【メモ】 西日本では自生地、個体数ともに少なく、絶滅危惧種に指定されている地域が多い。 近縁種 : ワダソウ、ヒゲネワチガイソウ、ヒナワチガイソウ ■分布:本州(福島県以南)、四国、九州 ・ 中国 ■生育環境:山地の渓流畔や湿った林床など。温帯域。 ■花期:4〜6月 |
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↑Fig.2 全草の様子。(兵庫県但馬地方・岩壁 2013.5/8) 茎は細く、下部で枝を分けて直立し、高さ8〜15cm。葉は下方のものほど細長くなる。花は上部の葉腋に単生。 |
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↑Fig.3 茎。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 茎は細く、紫褐色を帯び、1〜2列の毛列がある。 |
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↑Fig.4 葉。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 葉は下方のものほど細長くなり、卵状披針形〜倒披針形、長さ10〜40mm、幅2〜4mm、鋭頭、基部は細いくさび形、まばらに毛がある。 |
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↑Fig.5 開花したワチガイソウ。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 花は上部の葉腋から細長い柄を出して単生する。花柄にも毛列がある。 |
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↑Fig.6 花。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 花弁は白色、ふつう倒卵形で、長さ約6mm。雄蕊10個。花柱2〜3個(画像のものは2個)。 |
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↑Fig.7 萼(Fig.5も参照)。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 萼は線状披針形〜長楕円形、鋭頭または鈍頭、毛があり、長さ3〜6mm。 |
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↑Fig.8 4弁花。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 4弁花が混じる割合が多いように感じる。萼片も同期している。 |
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↑Fig.9 花後。(兵庫県丹波市・渓流畔 2009.4/27) 花弁の散った花は、花柄を接地するように曲げる(中央下と右上の個体)。 |
生育環境と生態 |
Fig.10 渓流畔に生育するワチガイソウ。(兵庫県丹波市・渓流畔 2014.4/26) 渓流畔の転石間や蘚苔類の生じた岩上に小さな群れをつくって生育している。 ここではコチャルメルソウ、タチネコノメソウ、ヒメレンゲ、ホクリクネコノメソウ、マツカゼソウ、ミヤマカンスゲ、ミゾシダなどとともに見られた。 |
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Fig.11 濡れた岩壁に群生するワチガイソウ。(兵庫県但馬地方・岩壁 2013.5/8) 急峻な沢の濡れた岩壁を覆うようにワチガイソウが群生していた。 同所的にキバナサバノオ、コチャルメルソウ、ダイモンジソウ、タチネコノメソウ、ウワバミソウ、ニシノヤマタイミンガサ、エンレイソウ、 ジュウモンジシダ、リョウメンシダなどが見られた。 |