タマゴケ Bartramia pomiformis  Hedw.
  var. elongata  Turn.
  低山・岩上・石垣のコケ タマゴケ科 タマゴケ属
Fig.1 (兵庫県篠山市・社寺の石垣 2010.4/3)
丘陵〜山地の岩上、石垣、あるいは地上にかたまって生育する蘚類。
茎は高さ4〜5cm、時に8cmにもなり、わずかに分枝し、上方まで密に赤褐色の仮根をつける。
葉は幅広くて半透明で淡緑色、鞘状の基部から線状披針形に伸び、長さ4〜7mm、乾くと多少縮れて巻く。
中肋は葉の先端から突出し、背面に鋭い歯がある。
葉身部分は1細胞層、縁には対になった鋭鋸歯が並び、ときに狭く背面に反曲する。
葉身細胞は方形〜矩形で長さ8〜13μ、幅6〜8μ、腔上の両面に1〜2個の大きな乳頭がある。
鞘部の細胞は細長く、透明で平滑。雌雄同株で凾よくつける。
剳ソは茎の頂端から出て赤褐色、長さ1.5〜2.5cm、翌年はその下から新芽が出るので側生するように見える。
凾ヘほぼ球形でやや傾き、口は小さい。古い凾ヘ褐色で多少湾曲し、乾くと多くの縦ひだができる。
蓋は円錐形。外剋浮ヘ褐色で横筋があり、内剋浮フ歯突起は外剋浮フ約2/3の高さがある。

クモマタマゴケB. halleriana)は剳ソが短く、凾ヘ葉からわずかに出る程度。稀産種で、兵庫県ではRDB Aランク種。
コウライタマゴケB. ithyphylla)は本州中部以北の高山に生え、茎は短く1〜3cm、葉は乾いても縮れない。葉身細胞は2細胞厚。
近縁種 : クモマタマゴケ、コウライタマゴケ

■分布:北海道、本州、四国、九州 ・ シベリア、台湾、中国、ヒマラヤ、ヨーロッパ、北アメリカ
■生育環境:丘陵〜山地の岩上、石垣、地上など。

Fig.2 葉。(兵庫県篠山市・社寺の石垣 2011.3/8)
  葉は幅広くて半透明で淡緑色、鞘状の基部から線状披針形に伸び、長さ4〜7mm、乾くと多少縮れて巻く。

Fig.3 若い凵B(兵庫県篠山市・社寺の石垣 2011.3/8)
  タマゴケは雌雄同株で凾よくつける。凾ヘほぼ球形でやや傾いてつく。
  蓋は細長い円錐形で、画像右上に蓋のついた凾ェ見える。

Fig.4 成熟した凵B(兵庫県篠山市・社寺の石垣 2010.4/3)
  成熟した凾フ口は赤褐色となり、「目玉おやじ」のように見える。剳ソは赤褐色で目立ち、美しい。
  凾フ表面は細かい縦じわが生じ始めている。

生育環境と生態
Fig.5 社寺の石垣に着生したタマゴケ。(兵庫県篠山市・社寺の石垣 2011.3/8)
ノキシノブや多くの蘚苔・地衣類が付着する社寺の古い石垣に、タマゴケがこんもりとした集団をあちこちにつくっていた。

Fig.6 里山農道脇の斜面に生育するタマゴケ。(西宮市・農道脇斜面 2011.3/27)
半ば土の露出した農道脇の草地斜面に塊状の集団を形成して生育しており、乾燥のため葉は縮れている。
脇にはオニタビラコが見られるが、ここではネザサを主体としてシシガシラ、タガネソウ、ヒカゲスゲ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、
ウマノアシガタ、ノダケ、オカトラノオ、ヤマハッカなどが生育している。


最終更新日:27th.Mar.2011

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