タチシノブ | Onychium japonicum (Thunb.) Kunze | ||
里山・林縁斜面のシダ | ホウライシダ科 タチシノブ属 |
Fig.1 (西宮市・林道脇斜面 2011.11/19) 平地〜山地のやや日当たり良い林縁や斜面に生育する常緑性シダ。 根茎は地中を横走し、褐色披針形の鱗片をつける。 葉は根茎からやや接近して生じ、高さ30〜60cm、無毛で平滑。 葉柄は葉身とほぼ同長で、針金状、向軸側に溝があり、黄緑色で光沢がある。 栄養葉と胞子葉は軽い相違があり、胞子葉は栄養葉よりも幅が狭く、長柄があり、ふつう冬期に枯れる。 栄養葉の葉身は3〜4回羽状複葉、羽片・小羽片ともに有柄。 裂片は長楕円形、鋭尖頭、胞子葉よりも切れ込みが浅い。 胞子嚢群は裂片の両縁につき、葉縁が反り返った苞膜に覆われる。 近縁種 : ■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 東アジア、熱帯アジア ■生育環境:平地〜山地のやや日当たり良い林縁や斜面など。 |
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↑Fig.2 栄養葉。(西宮市・林縁 2011.2/2) 葉柄は葉身とほぼ同長で、針金状。 冬期も常緑で、裂片は胞子葉のものより幅広くなる。 |
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↑Fig.3 胞子葉。(西宮市・林縁 2011.2/2) Fig.2 の栄養葉よりも裂片の幅が狭く、葉身はより大きい。 冬期で葉身は枯れつつある。 |
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↑Fig.4 羽片。(西宮市・林縁 2011.2/2) 栄養葉(上)と胞子葉(下)それぞれの羽片。羽片はさらに2〜3回羽状に分裂する。 羽片、小羽片ともに柄がある。胞子葉の切れ込みは深い。 |
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↑Fig.5 中軸、羽軸と小羽片。(西宮市・林縁 2011.2/2) 中軸や羽軸は向軸側(表面)が溝となる。 小羽片はさらに切れ込み、裂片は長楕円形、鋭尖頭。 |
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↑Fig.6 胞子葉小羽片の裏面。(西宮市・林縁 2011.2/2) 苞膜は裂片の両縁が反り返ってできる。 胞子嚢群は葉縁につくが、裂片が狭いため、裂片裏面全体についているように見える。 |
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↑Fig.7 新葉を展開した個体。(西宮市・用水路脇 2013.6/10) |
生育環境と生態 |
Fig.8 石垣の間に生育するタチシノブ。(西宮市・公園の石垣 2011.2/25) 公園の歩道脇の石垣に生育していた。すでに胞子葉は枯れ落ちている。 同じ石垣の間にはキランソウ、オニタビラコ、コナスビ、トラノオシダが生育している。 |
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Fig.9 崖錐斜面の日当たりよい石の隙間に生育するタチシノブ。(西宮市・崖錐斜面 2011.3/3) タチシノブは比較的日当たり良い、やや乾いた環境を好むようで、ここでも向陽地〜半日陰地に多くの個体が見られた。 周辺にはベニシダ類、シシガシラ、オクマワラビ、タチツボスミレ、イタドリなどが見られた。 |