トチバニンジン | Pannax japonicus C. A. Meyer | ||
里山〜山地の植物 | ウコギ科 トチバニンジン属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/7) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/7) 里山や山地の林床や林縁に生える多年草。 根茎はやや太く、白色で、横にはい、節がある。茎は細いが直立し、花柄をあわせて高さ50〜80cmになる。 葉は掌状複葉で、3〜5個輪生し、葉柄は長さ5〜10cm。 小葉は3〜7(おもに5)個で短い柄があり、倒披針形〜倒卵形、長さ約10〜30cm、幅2〜7cm、鋭尖頭、鋸歯縁、基部はくさび形、膜質で薄い。 花茎は長く、ときに1〜4個の枝を出し、小さな球形の花序をつけ、多くの花がつく。小花柄は長さ1〜2cm、細かい突起がある。 苞はごく小さい。花は小さく径約3mm。花弁は淡緑色。雄蕊は5個。花柱はふつう2個。石果は径約6mm、赤色に熟す。 変種のホソバチクセツニンジン(var. angustatus)は葉が細くて縁に重鋸歯がある。本州〜九州。 近縁種 : 特にない。 ■分布:北海道、本州、四国、九州 ■生育環境:里山や山地の林床や林縁など。 ■花期:6〜8月 |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.4/26) 葉は掌状複葉。小葉は3〜7(ふつう5)個で短い柄があり、倒披針形〜倒卵形、鋭尖頭、鋸歯縁、基部はくさび形。 |
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↑Fig.4 小葉の鋸歯の拡大。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.4/26) |
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↑Fig.5 開花前の花序と花茎。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.4/26) 花序につぼみが形成される頃の花茎はまだ短く曲がって、花序は下向きになっている。 |
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↑Fig.6 花茎。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/17) 花茎は長く、直立し、ときに1〜4個の枝を出し、その先に小さな球形の花序をつける。 |
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↑Fig.7 花序(雄性期)。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/7) 花序は半球形からしだいに球形となり、多数の花がつく。小花柄は長さ1〜2cm、細かい突起がある。 花は小さく径約3mmで、花序の下側から咲き、最初は雄性期で、花弁と雄蕊が落ちると、雌性期となる。 花弁は淡緑色。雄蕊は5個。花柱はふつう2個。側枝についたこれから咲く花序は全て雄花であるという。 |
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↑Fig.8 花の拡大。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/17) 画像中央と右上の花弁のある3花が雄性期、左側の花弁のない花が雌性期。 雌性期のものは花柱が伸びているのがわかる。 |
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↑Fig.9 果実期。(兵庫県香美町・社寺林 2015.8/2) 石果は径約6mm、赤色に熟し、中に1個の種子がある。 |
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↑Fig.10 石果は先が黒くなることがある。(兵庫県養父市・渓流畔の林床 2015.8/2) |
生育環境と生態 |
Fig.11 植林地の林床で小群落をつくるトチバニンジン。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2013.6/17) 手入れの行き届いた植林地林床の平坦な部分に、小群落が点在していた。 周辺はアオキ、チャノキなどの低木、ホソバナライシダ、ジュウモンジシダ、キヨタキシダなどのシダ類、ミヤマフユイチゴ、ヤブミョウガ、ドクダミ、 ヤブラン、ニリンソウ、セリバオウレン、ヤブヘビイチゴ、ムロウテンナンショウなどが生育している。 植林地の斜面となる場所では小群落は見られず、数本が点在していた。平坦地が好きなのかもしれない。 |