ツルナ | Tetragonia tetragonoides O. Kuntze | ||
海岸・砂地の植物 | ハマミズナ科 ツルナ属 |
Fig.1 (兵庫県姫路市・海浜砂地 2011.6/15) 海岸の砂地に生育する多肉質の多年草。 茎や葉の表面に粒状の突起がある。茎はよく分枝し、下部は横にはい、上部は斜上し、高さ40〜60c。 葉は互生し、柄があり、菱形を帯びた卵状3角形で長さ4〜6cm。 花は1〜2個、葉腋につく。花柄はごく短く、萼筒は4〜5稜あり、果時に萼筒の肩の部分に4〜5個の突起が出る。 長さは花時3〜4mm、果時6〜7mm。萼裂片は4〜5個で、広卵状3角形、内面は緑黄色。雄蕊は9〜16個。 子房は下位で、花柱は4〜5個。果実は木質で硬く、中は数室に分かれ、各室に1個の種子を入れ、裂開しない。 近縁種 : ■分布:北海道西南部、本州、四国、九州、沖縄 ・ 太平洋沿岸一帯 ■生育環境:海浜の砂浜など。 ■花期:4〜11月 |
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↑Fig.2 茎は地表を横にはう。(西宮市・海浜砂地 2011.7/26) |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県姫路市・海浜砂地 2011.6/15) 葉は互生し、柄があり、菱形を帯びた卵状3角形で長さ4〜6cm、粒状の突起があり、若い葉では顕著で粉白色を帯びる。 |
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↑Fig.4 花は各葉腋に1〜2個つく。(西宮市・海浜砂地 2012.8/1) 花柄はごく短く、萼筒は4〜5稜あり、果時に萼筒の肩の部分に4〜5個の突起が出る。萼裂片は4〜5個で、広卵状3角形。 開花した花にアリが訪れている。 |
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↑Fig.5 花。(西宮市・海浜砂地 2012.8/1) 花弁は無く、萼片の内側が緑黄色の花弁状となる。雄蕊は9〜16個。花柱は4〜5個。 |
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↑Fig.6 果実形成期。(兵庫県姫路市・海浜砂地 2011.6/15) 花時に斜上していた茎は、果実形成期に入ると地表に倒伏して熟す。 萼筒は花時に3〜4mmだったものが、花後ふくらんで6〜7mmとなり、萼筒の肩の部分に4〜5個の突起が出る。 |
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↑Fig.7 落果した熟した果実。(西宮市・海浜砂地 2011.7/26) 果実は木質で硬く、中は数室に分かれ、各室に1個の種子を入れ、裂開しない。 果実は水に浮き、海流散布される。そのため分布域は世界の太平洋岸全域にわたっている。 |
生育環境と生態 |
Fig.8 防潮堤の岩の隙間に生育するツルナ。(西宮市・防潮堤 2011.7/26) 西宮市内の海岸ではあまり安定した自然度の高い砂地が少なく、ツルナは防潮堤と砂地の境界や、防潮堤の隙間に多く見られる。 同所的にハマヒルガオ、オカヒジキ、ホコガタアカザ、ママコノシリヌグイなどが生育している。 |