ヤブタバコ Carpesium abrotanoides  L.
  里山・林縁の植物 キク科 ガンクビソウ属
Fig.1 (西宮市・林縁 2009.12/1)
低地や丘陵などの林縁、道端の草薮などに普通な1〜越年草。
主茎は長さ50〜100cmで先が止まり、上部から順に互生する長大な側枝を放射状に開出して出し、さらに枝を分けて葉腋に頭花をつける。
下部の葉は広楕円形〜長楕円形で、長さ20〜28cm、幅8.5〜15cm、基部は広い翼のある柄となる。
葉身は質薄く、両面に短毛があり、裏面には腺点がある。
頭花は側枝の葉腋に下向きにつき、柄はなく、総苞は釣鐘状、片は3列で外片は短く円頭。
痩果は長さ3.5mm、先は嘴状で、粘液を出し、臭気がある。
近縁種 : コヤブタバコ、ガンクビソウなど

■分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、中国、ヒマラヤ (ヨーロッパ、西アジアには帰化)
■生育環境:低地や丘陵の林縁、道端の草薮など。
■花期:9〜11月

Fig.2 側枝。(西宮市・林縁 2009.12/1)
  主茎はその頂端で止まり、開出した長い側枝を出す。側枝は主茎に互生して放射状に多数つく。

Fig.3 下から見た側枝。(西宮市・林縁 2009.12/1)
  側枝は葉腋から細い枝を分け、その枝頂と葉腋に頭花をつける。また、側枝の葉腋にも頭花はつくので花数は多くなる。

Fig.4 頭花。(西宮市・林縁 2009.12/1)
  総苞は釣鐘状で、総苞片は3列あって、内片2列はうろこ状に重なり、外片は葉状で長さは不定のへら形〜倒卵形となる。

Fig.5 側枝についた葉。(西宮市・林縁 2009.12/1)
  葉には両面ともに短毛が生え、裏面は特に多い。葉身は楕円形。

Fig.6 葉裏の部分拡大。(西宮市・林縁 2009.12/1)
  裏面は短毛が特に密生するので白く見える。脈上の毛は特に長く顕著。
  腺点はさらに拡大しないと見えないようである。


最終更新日:2nd.Dec.2009

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