ヤマイバラ Rosa sambucina  Koidz.
  山地・林縁の植物 バラ科 バラ属
Fig.1 (兵庫県篠山市・林縁 2009.6/4)
山地の林縁などで生育するやや稀な半ばつる性の落葉低木。
枝には扁平な刺をもち、他の高木などに這い登る。
葉は小葉が2対ある奇数羽状複葉で、長さ10〜15cm、薄い革質の広披針形または長楕円形。
小葉は頂小葉が最大で、縁には細かい鋸歯があり、上面は濃緑色、下面はやや淡色。托葉は全縁。
花は頂部の平坦な円錐花序に10〜20個つき、小花柄には短い腺毛がある。萼筒にも腺毛がまばらに生える。
萼片は披針形、先は尾状にのびて鋭くとがり、開花時期には後方に強く反り返り、内面には白色の短毛が密生する。
花は白色で径4〜5cm程度。花弁は5個、3角状倒卵形、先は凹む。
果実は赤熟し、径8〜10mm。

【メモ】 本種は稀な種とされるが、幼木は比較的よく見かける。しかし、花をつけるまで成熟した個体は確かに少ないといえる。
近縁種 : ノイバラ、テリハノイバラ、ヤマテリハノイバラ、ミヤコイバラ

■分布:本州(中部地方南部以西)、四国、九州
■生育環境:温帯〜暖温帯の林縁など。
■花期:5〜6月

Fig.2 ヤマイバラの葉。(西宮市・渓流畔の林縁 2010.6/11)
  小葉が2対ある奇数羽状複葉。頂小葉は大きく、上面は濃緑色で光沢があり、縁に細かい鋸歯がある。

Fig.3 果実期。(西宮市・バッドランドの林縁 2009.11/24)
  果実は赤熟し、径8〜10mm。ノイバラよりもかなり大きい。

Fig.4 バッドランドに生育したヤマイバラ。(西宮市・バッドランドの林縁 2009.11/24)
  荒れた沢筋に土砂に埋もれながら生育していた。周囲の土石は比較的真新しく、年内に一度土石流の来襲に遭っているはずである。
  個体にとっては危機的な状況であるはずで、そのためか地表をのたうつように広げた茎から短枝を分枝し、それら枝先全てに花序がついて
  赤い果実がたわわに稔っていた。

このページは簡略版です。画像や資料が揃い次第正規版としてまとめる予定です。

最終更新日:31st.July.2010

<<<戻る TOPページ