ヤマルリソウ | Omphaloides japonica (Thumb.) Maxim. | ||
山地・林縁の植物 | ムラサキ科 ルリソウ属 |
Fig.1 (兵庫県丹波市・林道脇 2014.4/3) |
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Fig.2 (兵庫県篠山市・林縁 2010.4/18) 低山〜山地の林縁や道端に生育する多年草。 根生葉はロゼット状に広がり、倒披針形で長さ7〜20cm、幅2〜5cm。 茎は多数やや倒伏気味に斜上し、開出した白毛が多く、高さ7〜20cm。茎葉はなかば基部が茎を抱き、上部のものほどしだいに小さくなる。 花序は総状で分枝せず、花は径約1cmで淡青紫色、8〜17mmも小花柄があり、花後に下垂し、萼は長さ5〜8mmに大きく伸びる。 分果は4個で、縁が平滑で長さ約3mm。 【メモ】 兵庫県下では中北部に普通に見られる。南部では高標高地に分布はかたよる。 ■分布:本州(福島県以南)、四国、九州 ■生育環境:山間の林縁、半日陰〜日陰の道端など。 ■花期:4〜5月 |
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↑Fig.3 根生葉と茎葉。(兵庫県篠山市・林縁 2010.4/18) 根生葉は倒披針形。茎葉は基部が半ば茎を抱く。茎には開出した白毛が多い。 |
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↑Fig.4 花冠。(兵庫県篠山市・林縁 2008.4/13) 花は淡青紫色で径1cm前後、5裂し、喉部には白色でV型の小突起がある。雄蕊5個は花筒内にあって見えない。 花冠の裂片はつぼみ時には瓦重ね状にたたまれる(画像右)。 |
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↑Fig.5 果実期。(兵庫県丹波市・植林地林縁 2011.5/7) 果実は分果で、上から見ると円形で、縁は隆起している。 |
生育環境と生態 |
↑Fig.6 渓流畔の植林地林縁に生育するヤマルリソウ。(兵庫県篠山市・林縁 2009.4/3) 渓畔の半日陰の適湿な場所に点々と生育している。林道脇などでも同様な生育状況が見られる。 同所的にチャルメルソウ、ミヤマハコベ、ヤマサギゴケ、オオバタネツケバナ、クサイチゴ、アマチャヅルなどが見られた。 |
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↑Fig.7 林道脇の半日陰の岩上に生育するヤマルリソウ。(兵庫県丹波市・岩上 2011.4/29) ジャゴケの仲間が覆った多湿な岩上の棚部にヤマルリソウが生育していた。 林道脇は岩壁と破砕された堆積岩の急斜面が続き、ヤマルリソウの他にイチリンソウ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、オオタチツボスミレ、 セリバオウレン、ヤマエンゴサク(広義)、ミヤマカタバミ、ヤブヘビイチゴ、ヤブラン、ジュウモンジシダ、リョウメンシダ、ヤマイタチシダ、 オクマワラビ、ミヤマカンスゲ、ニシノホンモンジスゲなどが生育していた。 |
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↑Fig.8 林道脇の斜面に群生するヤマルリソウ。(兵庫県宍粟市・林道脇 2013.5/8) 高原の林道脇の斜面に開花真っ盛りのヤマルリソウが群生していた。 斜面は土が露出したような崩壊気味の場所が多いが植生も豊富で、イヌガンソク、オシダ、ジュウモンジシダ、ヒロハイヌワラビ、アオイスミレ、 タチツボスミレ、ギンバイソウ、イワガラミ、キンシベボタンネコノメ、クマイチゴ、ゴマナ、フキ、アザミsp.などが生育している。 |