ヤマアイ | Mercurialis leiocarpa Sieb. et Zucc. | ||
里山・山地・林床の植物 | トウダイグサ科 ヤマアイ属 |
Fig.1 (兵庫県三田市・社寺林の林床 2011.4/13) 里山や山地の林床に生育する多年草。雌雄異花。 地下茎は繰り返し分枝して広がり、生時は白色だが、乾燥すると紫色となる。 茎は高さ30〜40cm。葉は対生し、托葉がある。葉身は長楕円状披針形〜卵状楕円形、長さ10cm前後、鋭頭、鋸歯がある。 春〜初夏にかけて、枝先の葉腋から花枝を出し、小型の雌花、あるいは雄花をそれぞれやや総状の長い穂状花序につける。 雄花の花被は膜質で敷石状に配列し、つぼみの時は閉じており、萼全体としては球形をなし、花が開くと3裂する。 雄蕊は15〜20個、仮雄蕊はなく、花糸は離生し、花床の中心に束生する。葯は2室、はじめ下垂するが、のちに上向きとなる。 雌花の花被は3個、花盤は2裂し、裂片は線状針形で、心皮と互生する。子房は2室で、各室に1胚種を入れる。 刮ハは亜鈴形で、径約5mm、外面に突起があり、熟すと2つの小球形の殻片に割れる。種子は球形。 近縁種 : ■分布:本州、四国、九州、沖縄 ・ 朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ ■生育環境:里山や山地の林床など。 ■花期:3〜6月 |
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↑Fig.2 茎と托葉。(兵庫県篠山市・渓流畔の林床 2011.3/31) 茎は直立し、無毛。葉は対生してつき、葉柄基部には托葉がつく。 |
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↑Fig.3 葉。(兵庫県三田市・社寺林の林床 2011.4/13) 葉身は深緑色で青味を帯び、長楕円状披針形〜卵状楕円形、鋭頭、鋸歯がある。 |
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↑Fig.4 花枝は茎上部の葉腋から出る。(兵庫県三田市・社寺林の林床 2011.4/13) |
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↑Fig.5 雄花の花枝。(兵庫県三田市・社寺林の林床 2011.4/13) 花は枝上に間隔を空けて、数個ずつかたまってつく。 |
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↑Fig.6 雄花。(兵庫県篠山市・渓流畔の林床 2011.3/31) 花弁は無く、3裂した萼と15〜20個の束生する雄蕊とからなる。 |
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↑Fig.7 未熟な刮ハ。(兵庫県丹波市・林床 2010.5/8) |
生育環境と生態 |
Fig.8 林道脇に群生するヤマアイ。(兵庫県丹波市・林床 2010.5/8) 里山の植林地の林道の林縁に群生しており、ヤブラン、ヤエムグラ、ムラサキケマン、オドリコソウなどとともに生育していた。 |
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Fig.9 林床に群生するヤマアイ。(兵庫県三田市・社寺林の林床 2011.4/13) 里山の社寺林の林床に大きな群落が見られた。ここではミヤマカンスゲ、ムラサキケマン、ヤブニンジン、ヨツバムグラ、ドクダミ、 オオバタネツケバナなどとともに生育している。 |