ナガバオモダカ Sagittaria weatherbiana  Fernald オモダカ科 オモダカ属
抽水植物
Fig.1 (兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)

Fig.2 (兵庫県姫路市・溜池 2011.8/30)

湖沼、溜池、水路などに生育する北米原産の抽水性の多年草。
長い走出枝を伸ばして栄養繁殖し、高さ30〜60cmになる。
葉は根生し、長い柄があり、ヘラオモダカに酷似するが、やや葉質が厚く、長さ15〜20cm、幅2〜3cm。
花茎は高さ25〜60cmで直立し、花は単性花で総状花序につく。花弁は3個で白色。国内で栽培・帰化しているものは雌花しかつけない系統だと言われる。
冬期は抽水葉は枯死するが、線形のセキショウモやウリカワに似た沈水葉で越冬する。

【メモ】 京都の深泥池で駆除対象となった事がよく知られている。意図的に移植された溜池も見られる。
ヘラオモダカなどのサジオモダカ属の草本とは単性花をつけることで区別できる。
ヒロハオモダカS. platyphylla)は葉幅が広く幅3〜10cm。1本の花序に上方には雄花が、下方には雌花がつく。北米原産。
近似種 : ヘラオモダカホソバヘラオモダカ、 ヒロハオモダカ

■分布:本州(帰化) ・ 北アメリカ
■生育環境:湖沼、溜池、水路など。
■花期:4〜10月
■西宮市内での分布:市内にはまだ定着していない。

Fig.3 根生葉。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  葉は根生し、長い柄があり、ヘラオモダカに酷似し、長さ15〜20cm、幅2〜3cm。秋に上げる葉は葉柄が長く、葉身が小さなものが多い。

Fig.4 葉身の表面と裏面。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  葉身は長楕円状披針形、質はヘラオモダカよりやや厚くやわらかい。裏面は平行脈が目立つ。

Fig.5 葉裏の一部拡大。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  平行脈の脈間には細かい網状脈がある。

Fig.6 花茎。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  花茎は高さ25〜60cmで直立し、花は単性花で総状花序につく。

Fig.7 雌花。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  日本国内に入ってきているものは雌花を咲かせる系統のみだと言われている。
  花弁は3個で白色。雌蕊は多数が集合し、全体はやや扁平な3角状円形。

Fig.8 花後の花茎。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  雄花がないため、花後は不稔のまま枯れていく。

Fig.9 沈水形。(兵庫県姫路市・溜池 2014.9/23)
  伸びた走出枝の先からは、はじめに沈水形の葉を出す。

Fig.10 夏の草体。(兵庫県姫路市・溜池 2011.8/30)
  猛暑が続く盛夏には多くが半枯れとなり、花茎を上げる個体も少ないが、秋になると再び葉ともに花茎を盛んに上げ始める。

他地域での生育環境と生態
Fig.11 溜池で群生するナガバオモダカ。(兵庫県姫路市・溜池 2011.8/30)
意図的に植栽されたと思われる集団で、溜池の水深20〜30cmほどの浅水域に群生している。
本来はジュンサイ、ガガブタ(背景の開花している浮葉植物)、イヌタヌキモ、イトタヌキモ、ヒメガマ、カンガレイ(画像左)、カモノハシ、
チゴザサ、セイロンフラスコモなどが見られるやや中栄養な溜池であるが、オオフサモも生育しており、かつてはミズカンナも見られた。
水質が比較的良好なのが幸いしてか、ミズカンナは消え、オオフサモやナガバオモダカも猛威を振るうまでにいたっていない。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
角野康郎, 1994 オモダカ科オモダカ属. 『日本水草図鑑』 20〜23. 文一統合出版
角野康郎, 2014 オモダカ科オモダカ属. 『日本の水草』 77〜83. 文一統合出版
勝山輝男. 2001. オモダカ科オモダカ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 168〜169. 神奈川県立生命の星・地球博物館
村田源. 2004. ナガバオモダカ. 『近畿地方植物誌』 198. 大阪自然史センター
志賀隆・大阪市立自然史博物館淀川水系調査グループ植物班, 2010. 淀川水系におけるヒロハオモダカの定着とナガバオモダカの学名について.
                                                                    水草研究会誌93:13〜22. 水草研究会

最終更新日:3rd.Nov.2014

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