ハナニガナ (オオバナニガナ、オオニガナ) |
Ixeris dentata (Thunb.)Nakai var. albiflora (Makino) Nakai f. amplifolia (Kitam.) Hiyama |
キク科 ニガナ属 |
湿生植物 |
Fig.1 (西宮市・渓流畔 2007.5/31) 棚田の畦や休耕田、里山の湿った道端、溜池畔、草地などに普通な多年草。 茎は高さ40〜70cm。根生葉には長い柄があり倒卵状披針形〜披針形、頭大羽状裂葉など変異が多く、先のとがった鋸歯がまばらにある。 茎葉は柄がなく、基部は茎を抱き長さ3〜10cm、幅1〜3cm。 頭花は径約1.5cm前後。総苞は長さ7〜8cm。小花は舌状花が8〜11個。冠毛は淡褐色。単為生殖する。 ニガナやハイニガナ、ノニガナなどに似るが、詳しくはニガナの項を参照。 近似種 : ニガナ、 ハイニガナ、 ノニガナ、 オオジシバリ、 イワニガナ ■分布:北海道、本州、四国 ■生育環境:棚田の畦、休耕田、里山の湿った道端、溜池畔、草地など。ニガナよりやや山地よりに多い。 ■花期:2〜8月 ■西宮市内での分布:中・北部の里山や丘陵地などに普通。 |
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↑Fig.2 花茎はよく分枝して多数の花をつける。(西宮市・渓流畔 2007.5/31) 頭花は8〜11個の舌状花からなる。 |
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↑Fig.3 春先の根生葉。(西宮市・登山道脇 2008.4/9) 葉は変異に富むが、春先のロゼット葉は羽状に切れ込むものをよく見かける。 |
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↑Fig.4 花茎を上げはじめたハナニガナ。(西宮市・林道脇 2007.4/13) 花茎はニガナのものよりも太く、全体的にニガナよりも剛強な印象を受ける。 |
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↑Fig.5 蕾と葉身基部。(西宮市・林道脇 2007.4/13) 茎につく葉は、ナガナ同様、基部が心形となり茎を抱くことが多い。 |
西宮市内での生育環境と生態 |
Fig.6 湿地で見られたハナニガナ。(西宮市・湿地 2008.5/28) かなり以前の造成跡地が湧水のため湿地化したもので、ショウジョウスゲやイヌノハナヒゲ、ホソバリンドウなどとともに生育している。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 北村四郎, 1981. キク科ニガナ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編) 『日本の野生植物 草本3 合弁花類』 pp.229〜230. pls.214〜217. 平凡社 北村四郎・村田源・堀勝, 2004 キク科ニガナ属. 『原色日本植物図鑑 草本編(1) 離弁花編』 pp.5〜7. pls.2. 牧野富太郎, 1961 ハナニガナ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 684. 北隆館 長田武正・長田喜美子, 1984 ニガナ. 『野草図鑑 4 たんぽぽの巻』 pp.40. pls.38. 保育社 支倉千賀子. 2001. キク科ニガナ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 1433〜1437. 神奈川県立生命の星・地球博物館 小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. オオバナニガナ. 『六甲山地の植物誌』 208. (財)神戸市公園緑化協会 村田源. 2004. オオニガナ. 『近畿地方植物誌』 24. 大阪自然史センター |