ヒナガヤツリ Cyperus flaccidus  R. Br. カヤツリグサ科 カヤツリグサ属
湿生植物
Fig.1 (兵庫県篠山市・溜池畔 2008.7/27)

水田や畦、休耕田、河川敷などに普通に見られる1年草。
草体は小型で柔らかく、全体に淡緑色で、密に叢生し、高さ5〜20cm、下部に少数の葉がある。
葉は花序より短く、幅約1mm、時に退化して鞘のみとなる。
花序は単一、まばらに3〜8個の小穂をつける。花序枝は4〜7本。苞葉は1個で、花序より著しく長い。
小穂は花穂の先端につき、著しく扁平で、淡緑色、長さ5〜12mm、10〜30個の花をつける。
鱗片は広卵形、長さ約1mm、小穂の中軸にやや開出してつき、竜骨は翼状、上端は外曲する短芒となる。
痩果は倒卵形、長さ約0.5mm、黄白色。花柱は痩果とほぼ同長。柱頭は3岐する。
近似種 : コアゼガヤツリ

■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国、オーストラリア
■生育環境:水田や畦、休耕田、河川敷、中栄養な湿地など。
■果実期:8〜10月
■西宮市内での分布:中・北部の水田や休耕田などに普通。

Fig.2 ヒナガヤツリの小穂。(西宮市・休耕田 2007.8/19)
  著しく扁平で、鱗片の竜骨は翼状で明瞭、先は外曲する短芒となる。

西宮市内での生育環境と生態
Fig.3 休耕田に生育するヒナガヤツリ。(西宮市・休耕田 2007.8/19)
コナギ、キカシグサ、アゼナ、タケトアゼナ、チョウジタデ、ヒデリコ、タマガヤツリ、イヌホタルイ、ハリイなどの水田雑草とともに生育していた。

Fig.4 水田中に生育するヒナガヤツリ。(西宮市・水田 2007.8/15)
アゼナ、タケトアゼナ、チョウジタデ、イヌタデ、クロテンツキ、ヒデリコ、イヌホタルイなどの水田雑草とともに生育。

【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。)
大井次三郎, 1982. カヤツリグサ科カヤツリグサ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編)
       『日本の野生植物 草本1 単子葉類』 pp.180〜184. pls.164〜168. 平凡社
小山鐡夫, 2004 カヤツリグサ科カヤツリグサ属. 北村四郎・村田源・小山鐡夫 『原色日本植物図鑑 草本編(3) 単子葉類』 pp.238〜245. pls.60〜61. 保育社
牧野富太郎, 1961 ヒナガヤツリ. 前川文夫・原寛・津山尚(補遺・編) 『牧野 新日本植物図鑑』 758. 北隆館
北川淑子・堀内洋. 2001. カヤツリグサ属カヤツリグサ亜属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 400〜408. 神奈川県立生命の星・地球博物館
星野卓二・正木智美, 2003 ヒナガヤツリ. 星野卓二・正木智美・西本眞理子『岡山県カヤツリグサ科植物図譜(U)』 86〜87. 山陽新聞社
谷城勝弘, 2007 カヤツリグサ属. 『カヤツリグサ科入門図鑑』 174〜197. 全国農村教育協会
小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. ヒナガヤツリ. 『六甲山地の植物誌』 249. (財)神戸市公園緑化協会
村田源. 2004.ヒナガヤツリ. 『近畿地方植物誌』 162. 大阪自然史センター

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