ホソバツルノゲイトウ | Alternanthera nodiflora R.Br. | ヒユ科 ツルノゲイトウ属 |
湿生植物・帰化植物 |
Fig.1 (滋賀県・内湖畔 2007.11/4) 水田の畦や耕作地周辺の湿った場所、富栄養な湿地などに生育する1年草。熱帯アメリカ原産の帰化植物。 茎の下部は横に這い、節から発根、分枝して、上部では斜上し、長さ50cmになる。葉は対生し、葉腋からは側枝をよく生じる。 茎の節には縮毛があり、そこから茎に2条の毛列がのびる。 葉は広線形〜線状披針形で長さ2〜4cm、幅3〜5mm、やや鈍頭、不明瞭な鋸歯が不規則に並ぶ。 花は葉の基部に球状に集まり、無柄、白色、花被片は長さ1.5〜2mm、鋭尖頭で、中央脈が細い。 果実は長さ1〜1.5mm、幅1.5〜2mm。種子は円盤状で直径約0.7mm、黄褐色で光沢がある。 似たものに同じく外来種のツルノゲイトウとナガエツルノゲイトウがあり水湿地に生える。 ツルノゲイトウ(A. sessilis)は1年生草本で、葉は倒披針形〜長楕円形、葉幅は5〜15mmでホソバツルノゲイトウよりも広い。 ナガエツルノゲイトウ(A. philoxeroides)は多年生草本で、花序には長い柄があり区別は容易。特定外来生物の指定を受けている。 近似種 : ナガエツルノゲイトウ、 ツルノゲイトウ ■分布:本州中部以南に帰化 ・ 熱帯アメリカ原産、熱帯アジア、アフリカ、オーストラリア ■生育環境:水田の畦、休耕田、用水路、耕作地周辺の湿った場所など。 ■花期:7〜11月 ■西宮市内での分布:市内では見かけない。兵庫県内では定着しているところがある。 |
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↑Fig.2 葉腋に付いた頭状花序。(自宅植栽 2008.7/9) 花被は淡紅色を帯びる。花序の下方の花被には果実が形成されはじめている。 |
生育環境と生態 |
Fig.3 内湖畔の湿地に群生するホソバツルノゲイトウ。(滋賀県・内湖畔 2008.9/8) ホソバツルノゲイトウは富栄養な湿地を好み、栄養条件の良い場所では純群落にちかい群落をつくる。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 籾山泰一, 1982. ヒユ科ツルノゲイトウ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編) 『日本の野生植物 草本2 離弁花類』 pp.55. pls.52. 平凡社 米倉浩司. 2001. ヒユ科ツルノゲイトウ属. 清水建美(編)『日本の帰化植物』 pp.68〜70. pls.20. 平凡社 勝山輝男. 2001. ヒユ科ツルノゲイトウ属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 668〜669. 神奈川県立生命の星・地球博物館 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七. 2001. ホソバツルノゲイトウ. 『日本帰化植物写真図鑑』 61. 全国農村教育協会 |