メリケンガヤツリ | Cyperus eragrostis Lam. | カヤツリグサ科 カヤツリグサ属 |
湿生植物 ・ 帰化植物 要注意外来生物 |
Fig.1 (西宮市・武庫川河川敷 2007.8/9) 水田、河川敷、湿地、溜池畔などに生育する多年草。熱帯アメリカ原産の帰化植物。 根茎による栄養繁殖が著しく、水辺や湿地の希少種を駆逐する恐れがあり、要注意外来生物に指定されている。 叢生して大株となる。茎は太く、高さ30〜100cm、横断面は鈍3稜形。基部の鞘は赤褐色。葉は幅5〜10mm、長いものは茎と同長になる。 苞葉は葉状で5〜6枚つき、うち2〜3枚は花序より著しく長く、最下のものは長さ50cm以上になる。 花序は単一。花序枝は5〜10個、長いものは10cmを超え、枝先には5〜20個の小穂が球状にあつまる。 小穂は長楕円形、長さ5〜15mm、黄褐色、10〜30個の花が付く。 鱗片は長さ約2mm、竜骨があり、中肋は緑色で幅広く、鈍頭。痩果は倒卵形、長さ約1mm、3稜形。柱頭は3岐する。 近似種 : アオガヤツリ ■分布:本州(関東以西) ・ 熱帯アメリカ原産 ■生育環境:水田、河川敷、湿地、溜池畔など。 ■果実期:7〜11月 ■西宮市内での分布:市内全域に分布。武庫川河川敷には大群生し、繁殖力は凄まじく、在来種を駆逐する勢いがある。 |
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↑Fig.2 開花期の花序。(西宮市・武庫川河川敷 2007.8/9) 散形花序で、花序枝が5〜10個出て、先に小穂を密生する球形の分花序をつける。 |
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↑Fig.3 結実期の花序。(西宮市甲山町・湿地 2003.7/22) 熟した小穂は茶褐色を帯び、鱗片とともに痩果が脱落する。 |
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↑Fig.4 分花序の拡大。(西宮市・武庫川河川敷 2008.12/23) 花序枝の頂端につく分花序には苞葉はつかない。5〜20個の小穂が球状にあつまる |
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↑Fig.5 小穂。(西宮市・武庫川河川敷 2008.12/23) 小穂は扁平で、10〜30個の鱗片が2列に並ぶ。鱗片は鈍頭。 |
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↑Fig.6 痩果(左)とその拡大(右)。(西宮市・武庫川河川敷 2008.12/23) 痩果は倒卵形、長さ約1mmで、3稜ある。表面は細かい横じわがある。柱頭は3岐する。 |
西宮市内での生育環境と生態 |
Fig.7 中流域の河川敷に見られたメリケンガヤツリ。(西宮市・河川敷 2007.10/14) ミゾソバ、キシュウスズメノヒエ、ミズガヤツリ、ホソミキンガヤツリ、ヨモギなどとともに生育していた。 |
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【引用、および参考文献】(『』内の文献は図鑑を表す。『』のないものは会報誌や研究誌。) 大井次三郎, 1982. カヤツリグサ科カヤツリグサ属. 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎・旦理俊次・冨成忠夫 (編) 『日本の野生植物 草本T 単子葉類』 pp.180〜184. pls.164〜168. 平凡社 小山鐡夫, 2004 カヤツリグサ科カヤツリグサ属. 北村四郎・村田源・小山鐡夫 『原色日本植物図鑑 草本編(3) 単子葉類』 pp.238〜245. pls.60〜61. 保育社 星野卓二・正木智美, 2003. カヤツリグサ属. 星野卓二・正木智美・西本眞理子『岡山県カヤツリグサ科植物図譜(U)』 50〜99. 山陽新聞社 谷城勝弘, 2007. カヤツリグサ属. 『カヤツリグサ科入門図鑑』 174〜197. 全国農村教育協会 北川淑子・堀内洋. 2001. カヤツリグサ亜属. 神奈川県植物誌調査会(編)『神奈川県植物誌 2001』 400〜408. 神奈川県立生命の星・地球博物館 勝山輝男. 2001. メリケンガヤツリ. 清水建美(編)『日本の帰化植物』 pp.297〜298. pls.158. 平凡社 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七. 2001. メリケンガヤツリ. 『日本帰化植物写真図鑑』 474. 全国農村教育協会 小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也. 1998. メリケンガヤツリ. 『六甲山地の植物誌』 249. (財)神戸市公園緑化協会 村田源. 2004. メリケンガヤツリ. 『近畿地方植物誌』 161. 大阪自然史センター |