ヒナギキョウ | Potentilla freyniana Bornm. | ||
里山・草地の植物 | キキョウ科 ヒナギキョウ属 |
Fig.1 (兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) |
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Fig.2 (兵庫県小野市・溜池土堤 2011.7/31) 丘陵〜低山の日当たり良い草地、棚田の土手、堤防などに生育する多年草。 根はやや発達し、地中に細長く伸びる。茎は細く、やや分枝し、まばらに開出毛があって、高さ20〜40cmになる。 茎下部の葉はへら形または倒披針形で長さ2〜4cm、上部の葉は線状披針形で少数つく。 葉縁は白色で厚くなり、全縁または波状に鋸歯があり、鋭頭、基部は狭まって柄はない。 花は枝先に上向きに1個づつ付き、約20cmほどの長い柄がある。萼裂片は披針形で長さ2〜3mm。 花冠は漏斗状鐘形で長さ5〜6mm、先は5裂する。刮ハは直立し、倒円錐形で長さ6〜8mm。種子は褐色、楕円状卵形。 近縁種 : キキョウ ■分布:本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、小笠原 ・ 朝鮮半島、中国、東南アジア、オーストラリア ■生育環境:里山の草地、棚田の土手、堤防など。 ■花期:5〜10月 |
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↑Fig.3 草体の基部。(兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) 茎の基部付近から側枝が分枝している。分枝は少ない。 |
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↑Fig.4 茎下部の葉。(兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) 茎下部の葉はへら形または倒披針形、縁は波打つか、まばらに低い鋸歯があり、開出毛が生え、鋭頭。 |
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↑Fig.5 茎上部の葉。(兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) 茎上部につく葉は線状披針形。 |
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↑Fig.6,7 雨後に開花しつつある花。(兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) 曇天と降雨が繰り返された1日、夕刻になって晴れ間が出てようやく開花しはじめた花。完全に開花すると花は上を向く。 キキョウの花と比べるとはるかに小さく、花冠の長さは5〜6mm、5裂し、淡紫色。雄蕊5個、雌蕊1個で柱頭は3岐する。 |
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↑Fig.8 2岐する柱頭を持った花。(兵庫県南加西市・溜池土堤 2011.7/22) |
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↑Fig.9 分枝する花茎。(兵庫県南あわじ市・棚田の土手 2010.11/7) 主茎から分枝した花茎はつぼみを下向きにして伸びてくる。 |
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↑Fig.10 果実期のヒナギキョウ。(兵庫県小野市・溜池土堤 2010.11/15) 刮ハが熟すまで萼裂片は宿存する。熟した刮ハは上面が裂開する。 |
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↑Fig.11 刮ハ(左)と種子。(兵庫県小野市・溜池土堤 2010.11/15) 刮ハは直立し、倒円錐形、長さは1cmに満たない。種子は楕円形、透明感のある茶褐色で光沢があり、長さ0.3〜0.5mm。 |
生育環境と生態 |
Fig.12 溜池土堤上に生育するヒナギキョウ。(兵庫県小野市・溜池土堤 2011.7/31) 溜池土堤上のメドハギとヤハズソウが生育する箇所にヒナギキョウが点在していた。 ヒナギキョウはこのほか土堤の被植の少ない場所にアキノキリンソウやカナビキソウなどとともに生育していた。 |