ヒロハノアマナ | Amana latifolia (Makino) Honda | ||
里山・林縁の植物 環境省絶滅危惧U類(VU)・兵庫県RDB Aランク種 |
ユリ科 アマナ属 |
Fig.1 (兵庫県丹波地方・草地の大木下 2011.4/1) |
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Fig.2 (兵庫県丹波地方・林縁草地土手 2010.3/18) |
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Fig.3 (兵庫県丹波地方・果樹園の土手 2014.3/28) 丘陵〜低山の里山の適湿の林縁草地、疎林内に生育する多年草。 地中深くに直径1〜1.5cmの鱗茎をつくり、早春に2個の根生葉を出す。 根生葉は広線形、長さ10〜20cm、幅5〜15mm、表面の中央脈に沿って白色の筋があり、多くは鈍頭。 花茎は高さ5〜10cm、先端に花を1個つける。苞葉は線形でふつう3個、ときに2または4個つく。 花被片は長さ1.6〜2.3cm、白色で脈と外面基部は淡紫褐色か緑色を帯びる。 アマナ(A. edulis)の葉は線形で中央脈は白色とならず、苞はふつう2個つく。 ヒメニラ(A. monanthum)の葉は線形で中央脈は白色とならず、花は小さく、平開しない。 近縁種 : アマナ、 ヒメニラ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:里山の林縁、落葉広葉樹の疎林内など。 ■花期:3〜4月 |
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↑Fig.4 根生葉。(兵庫県丹波地方・林縁草地土手 2010.3/29) 根生葉は広線形、長さ10〜20cm、幅5〜15mm、表面の中央脈に沿って白色の筋があり、多くは鈍頭。 質はやや厚く、中部以上で少しよじれたり、反ったりしているものが多い。 |
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↑Fig.5 苞葉。(兵庫県丹波地方・林縁草地土手 2010.3/29) 花茎上部にはふつう3個の苞葉がつく。苞葉は縁が内側に巻いて線形に見える。 |
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↑Fig.6 苞葉を4個もつもの。(兵庫県丹波地方・林縁草地土手 2010.3/29) 苞葉はときに2個、または4個つくこともある。 |
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↑Fig.7 花。(兵庫県丹波地方・草地の大木下 2011.4/1) 花は花茎頂部に1個つく。花はアマナに酷似し、区別がつかない。 |
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↑Fig.8 横から見た花。(兵庫県丹波地方・草地の大木下 2011.4/1) 花被片は白色で、脈と外面基部は淡紫褐色か緑色を帯びる。 雄蕊は6個、葯は開く前は淡紅色〜橙黄色。雌蕊は1個。 |
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↑Fig.9 果実形成期。(兵庫県丹波地方・林縁草地土手 2011.4/17) 花後、花茎は細長く伸びて倒伏し、果実は地表で成熟する。 ヒロハノアマナは伸びた花茎の分だけ少しずつ生育領域を広げることになる。 |
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↑Fig.10 果実。(兵庫県丹波地方・林縁草地 2015.4/28) 果実は刮ハで、長楕円形、丸みのある3稜があり、長さ2cm前後、花柱は先端が切形の嘴状となって残る。 |
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↑Fig.11 花をつけない若い個体。(兵庫県丹波地方・疎林下 2011.4/1) 2個の根生葉には白色の条が見られ、ヒロハノアマナであるとわかる。 |
生育環境と生態 |
Fig.12 林縁の草地斜面に生育するヒロハノアマナ。(兵庫県丹波地方・林縁草地斜面 2010.3/29) 斜面は北向きで、日照時間は少なくここでは花が平開していることは少ない。 ここではヒロハノアマナのほか、セツブンソウ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、イチリンソウなどのスプリング・エフェメラルも見られ、 セリバオウレン、ヤマルリソウ、エンレイソウ、トキワイカリソウ、イヌシダ、イワガネソウ、夏に高茎草本となるシシウド、ハナウド、ノアザミ、 ノカンゾウが生育し、春植物の結実後には斜面をおおう。 |
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Fig.13 草地に生育するヒロハノアマナ。(兵庫県丹波地方・草地の大木下 2011.4/1) 芝が生育する桜の大木の根元にある根や石のあいだに2株の開花個体が見られた。 周囲に幼個体は見られず、踏み付けによって生育が阻害されている可能性がある。 人通りの多い場所のようであり、柵を設置するなどの保護策が必要であると思われる。 |
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Fig.14 果樹園の土手に生育するヒロハノアマナ。(兵庫県丹波地方・果樹園の土手 2014.3/28) 古い果樹園の土手に多数のヒロハノアマナの生育が確認できた。 土手にはナキリスゲ、ヒカゲスゲ、オヤブジラミ、ヤマネコノメソウ、カテンソウ、ヤエムグラ、クサイチゴ、キンキエンゴサク、カキドオシ、 ヨモギなどが生育し、ヒロハノアマナの幼個体も多数見られた。 |