キンラン Cephalanthera falcata  (Thumb.) Blume
  里山・林縁の植物 
  環境省絶滅危惧U類(VU)・兵庫県RDB Cランク種
ラン科 キンラン属
Fig.1 (神戸市・雑木林の林縁 2011.5/21)
丘陵〜山地、里山の林縁や疎林に生育する地生の多年草。
茎は直立して高さ30〜70cm、稜線がある。
葉は5〜8個で互生し、広披針形、長さ8〜15cm、幅2〜4cm、鋭頭、基部は茎を抱く。
花序は穂状で、黄色の花を3〜12個つける。苞は膜質で3角形、長さ2mm。
萼片は卵状長楕円形、長さ14〜17mm、鈍頭。萼裂片の背面は突出する。
側花弁は萼片より少し短く、卵形。唇弁の基部は筒状で距となり、舷部は3裂し、側裂片は3角状卵形で蕊柱を抱き、
中裂片は円唇形で内面に黄褐色の肥厚した隆起条が数本ある。
蕊柱は直立し、長さ2mm。葯室は長く、2個の長楕円形の花粉塊を入れる。

【メモ】 本種は適切に管理された良好な雑木林の林床や林縁に生育し、同属のギンランより少し遅れて開花する。
     盗掘に遭って掘り取られることが多いが、菌根性樹木、菌根菌、キンランの3つの系によって共生しているため、栽培はほぼ不可能である。
     従って、盗掘行為は本種にとってはそのまま絶滅への加担となるため、採取は厳に慎むべきである。
近縁種 : ギンラン

■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国
■生育環境:里山の林縁、落葉広葉樹の疎林内など。
■花期:4〜6月

Fig.2 葉。(神戸市・雑木林の林縁 2011.5/21)
  茎は直立し、稜線があり、葉は5〜8個で互生し、広披針形、鋭頭、基部は茎を抱く。茎、葉ともに無毛。

Fig.3 穂状花序。(神戸市・雑木林の林縁 2011.5/21)
  花序には3〜12個の黄色の花がつく。

Fig.4 花。(神戸市・雑木林の林縁 2011.5/21)
  花はやや上向きにつき、平開せず、蕊柱は外からは見難い。
  3裂した唇弁舷部の中央裂片内面には、黄褐色の肥厚した隆起条が数本あってアクセントとなっている。

生育環境と生態
Fig.5 溜池土堤の林縁に生育するキンラン。(神戸市・雑木林の林縁 2011.5/21)
草刈り管理の行き届いた里山の溜池土堤上の林縁部にキンランが生育していた。
自然度の高い溜池土堤で、刈り込まれたネザサを主体としてススキ、チガヤ、ワラビ、スギナが混生し、ワレモコウ、ツクシハギ、ツリガネニンジン、
キキョウ、オカオグルマ、ヤマサギソウなどが生育する。

Fig.6 造成地に生育するキンラン。(兵庫県加西市・造成地の植え込み 2013.5/8)
なぜか造成地の植え込みの周囲にかなりの個体数が生育していて驚いた。
数年前に造成したまま放置したような環境であり、スギナ、オヤブジラミ、アオスゲ、ヌスビトハギ、キュウリグサなどが生育している。
周囲には雑木林などそれなりの環境があるため、持ち込まれたものなのか種子が飛来して定着したのか不明である。


最終更新日:8th.Mar.2014

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