コチャルメルソウ | Mitella pauciflora Rosend. | ||
山地・渓流畔の植物 | ユキノシタ科 チャルメルソウ属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・渓流畔の岩上 2008.4/9) |
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Fig.2 (兵庫県宍粟市・渓流畔の岩上 2013.5/8) 低山〜山地の渓流畔などの湿った場所に生育する多年草。 長く横走する根茎があり、花後に地中に走出枝を出す。 走出枝には鱗片状の葉を互生するが、先端ちかくでは普通葉となる。 根生葉は広卵形まから卵円形で、基部は深い心形、鋭頭または鈍頭、縁は浅く5裂し、長さ2〜5cm、幅2.5〜6cm、 両面に立った粗い毛と微小腺毛がある。葉柄は長さ2〜15cmで、托葉は紫色を帯び、縁に短腺毛がある。 花茎は基部から側生し、無葉、高さ10〜30cm、花柄とともに短腺毛を密生する。 花は2〜10個で、花柄は長さ2mm前後。萼筒は浅い倒円錐形で、腺状突起を密生する。 萼裂片は広3角状卵形で、鋭頭、長さ1mm前後、花時に開出する。 花弁は紅紫色または淡黄緑色で、長さ4mm前後、羽状に細かく7〜9裂し、外面にはやや密に腺点があり、花時に反曲する。 雄蕊は花盤上につき、花糸は葯とほぼ同長で。裂開寸前の葯は淡黄色。花柱はきわめて短い。 種子は卵状楕円形で、長さ約1.2mm、種皮は暗緑色で黒紫色の細点があり、縦に微小な隆起線がある。 近縁種 : チャルメルソウ、 モミジチャルメルソウ、タキミチャルメルソウ、オオチャルメルソウ ■分布:本州、四国、九州 ■生育環境:低山〜山地の渓流畔などの湿った場所など。 ■花期:4〜6月 |
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↑Fig.3 根生葉。(兵庫県篠山市・林下の水路脇 2011.4/1) 根生葉は広卵形まから卵円形で、基部は深い心形、縁は浅く5裂し、両面に立った粗い毛と微小腺毛がある。 毛や微小腺毛は若い葉ほど目立つ。 |
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↑Fig.4 花茎。(兵庫県篠山市・林下の水路脇 2011.4/1) 花茎は基部から側生し、高さ10〜30cm、花が2〜10個つく。 |
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↑Fig.5 花茎の拡大。(兵庫県篠山市・林下の水路脇 2011.4/1) 花茎や花柄には短腺毛を密生する。左上の花ではハナグモの仲間が訪花昆虫を待ち伏せている。 |
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↑Fig.6 花。(兵庫県篠山市・林下の水路脇 2011.4/1) 花柄は花茎から開出するが、花はやや下向きについていることが多い。 萼筒は浅い倒円錐形で、腺状突起を密生する。萼裂片は広3角状卵形で、鋭頭、花時に開出する。 花弁は紅紫色または淡黄緑色で、5個、長さ4mm前後で、羽状に細かく7〜9裂し、外面にはやや密に腺点があり、花時に反曲する。 雄蕊は花盤につき、ふつう5個。花柱はごく短く、2岐する。 |
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↑Fig.7 越冬中のコチャルメルソウ。(兵庫県丹波市・渓流畔 2011.2/8) 冬期は小形の根生葉が常緑越冬する。葉脈は紫色を帯びることが多い。 |
生育環境と生態 |
Fig.8 渓流の岩上に生育するコチャルメルソウ。(兵庫県篠山市・渓流 2009.4/3) 水位の比較的安定した渓流では流れの岩上に蘚苔類とともに多湿を好む様々な草本が生育し、コチャルメルソウもよく見かける。 ここではツルチョウチンゴケやトヤマシノブゴケのマット上にコガネネコノメソウ、ミヤマカンスゲの幼苗などとともに生育している。 |
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Fig.9 疎林下の水路脇に生育するコチャルメルソウ。(兵庫県篠山市・林下の水路脇 2011.4/1) 明るい疎林下に古い水路が流れ、石垣の張られた壁面の隙間に多くの個体が生育している。 水路脇にはミヤマカタバミ、オオバタネツケバナ、ショウジョウバカマ、オオタチツボスミレ、イワガネソウ、イノデ、ヤブソテツなどが生育している。 |