コカモメヅル Tylophora floribunda  Miq.
  里山・草地の植物 
 兵庫県RDB Cランク種
ガガイモ科 オオカモメヅル属
Fig.1 (兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)

Fig.2 (兵庫県篠山市・溜池土堤 2012.7/28)

丘陵〜低山の里山の草地に生育するつる性の多年草。
茎は細く、長く伸び、他物に絡みつき、片側に毛条があるか無毛。
葉は対生し、3角状卵形〜卵状披針形で、先はとがり、長さ3〜6(〜8)cm、幅1〜3cm、基部は浅心形で3〜25mmの葉柄があり、中肋上に微毛があるほかは無毛。
花序はよく分枝し、大きくまばらに散開してふつうそのつけ根の葉より長い。小花柄は細く4〜10mm。
花は小さく径4〜5mmで暗紫色、花冠裂片の上面にはやや微毛がある。副花冠は蕊柱の約半長で直立し、基部は多少張り出す。
袋果は双生して水平に開出し、無毛、披針形で長さ4〜5cm。熟すと裂開して絹糸状の冠毛のある扁平な種子を飛ばす。

【メモ】 本種は草刈りの行き届いたような草地に生育していることが多い。やや湿った草地を好むが、タチカモメヅルのように湿地に生育することはない。
近縁種 : オオカモメヅル、ナガエオオカモメヅル、 タチカモメヅル、 クサナギオゴケ

■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮半島、中国
■生育環境:里山の草地など。
■花期:7〜8月

Fig.3 茎。(兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)
  茎はつる性で、他物に巻きつく。巻き方はZ巻き。

Fig.4 コカモメヅルの葉。(兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)
  葉は対生し、3角状卵形〜卵状披針形、鋭頭、基部は浅心形。脈上に微毛があるほかは無毛。

Fig.5 花序。(兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)
  花序は集散花序で、やや散状によく分枝し、ふつうつけ根の葉よりも大きい。

Fig.6 コカモメヅルの花。(兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)
  花は小さく径4〜5mmで暗紫色、花冠は5裂する。花冠裂片の上面には微毛が生える。
  中央にはドーム状の淡黄色の蕊柱があり、周りをほぼ半長の副花冠が囲む。

Fig.7 コカモメヅルの袋果。(兵庫県丹波市・溜池土堤 2010.9/5)
  袋果はふつう双生し、開出してつく。披針形。

生育環境と生態
Fig.8 溜池土堤に生育するコカモメヅル。(兵庫県篠山市・溜池土堤 2010.7/31)
溜池土堤の中部〜下部のやや湿ったヒメシダ群落中にヤマノイモなどと絡み合いながら点在している。
コカモメヅルは野焼きや草刈りが行われる溜池土堤や棚田の斜面でよく見かける。


最終更新日:28th.Feb.2014

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