コウボウシバ Carex pumila  Thunb.
  海浜の植物 カヤツリグサ科 スゲ属 シオクグ節
Fig.1 (西宮市・砂浜 2008.5/15)
海岸の砂地や河原に生育する多年草。
根茎は長く横走し、まばらに生え、群生をつくる。
基部の鞘には葉身がなく暗赤色を帯びる。葉は幅2〜4mm、葉縁は上向きにざらつく。
花茎は高さ10〜30cm。湿った場所のものは生育がよく、草丈は高くなる。
上部2〜4個の小穂は雄性、下方の1〜2個は雌性で接近してつき、長さ1.5〜3cm。
雌鱗片は果胞とほぼ同長。果胞は無毛、長さ6〜8mm、コルク質。先端は次第に狭まって嘴となり、口部は硬化した2歯となる。

湿った場所のものはシオクグC. scabrifolia)に似るが、シオクグは雌小穂が離れてつき、
果胞の先は急に狭まることにより区別できる。

■分布:北海道、本州、四国、九州、対馬、伊豆諸島、沖縄 ・ 東アジア、オーストラリア、チリ
■生育環境:海岸の砂地や河原。
■果実期:4〜5月

Fig.2 全草標本。(兵庫県新温泉町・砂浜 2011.5/26)
  地中には長い根茎があり、節から地上茎とひげ根を出している。
  基部には旧鞘が繊維状となって残っている。

Fig.3 横走する根茎があり、まばらに群生する。(西宮市・砂浜 2008.5/15)


Fig.4,5 花序。(西宮市・砂浜 2008.5/15)
  上部には雄小穂、下方には雌小穂がつく。
  雌小穂は互いに接近してつく。

Fig.6 雌小穂。(西宮市・砂浜 2008.5/15)
  雌小穂には短い柄がある。
  果胞と鱗片はほぼ同長。果胞は無毛で光沢がある。

Fig.7 果胞(左)と未熟な痩果(右)。(西宮市・砂浜 2008.5/15)
  果胞は無毛で光沢があり、先は次第に狭くなり嘴となる。
  嘴部の縁には小刺毛があり、口部は硬化した2歯となる。
  痩果は3稜形、長さ2.5mm前後。

Fig.8 葉縁には上向きの小突起があり、ざらつく。(西宮市・砂浜 2008.5/15)

生育環境と生態
Fig.9 砂浜で見られるコウボウシバ群落。(西宮市・砂浜 2008.5/15)
根茎をのばしてかなりの面積の群落をつくっていた。

Fig.10 海岸の岩場に生育するコウボウシバ。(兵庫県新温泉町・岩浜 2011.5/26)
全く砂地のない岩浜に漂流した果胞が、岩場の割れ目に漂着して生育したものだろう。
根茎が脱出する隙間がないのか、こんもりと大きな塊となって生育している。



最終更新日:24th.Jul.2011

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