ママコナ | Melampyrum roseum Maxim. var. japonicum Franch. et Savat. |
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里山・林縁・林床の植物 | ゴマノハグサ科 ママコナ属 |
Fig.1 (兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 丘陵〜山地の林縁や明るい林床に生育する半寄生の1年草。 茎は直立し、高さ20〜50cm。葉は長卵形で両端はとがり、3〜15mmの柄があり、両面短毛を散生し、長さ2〜8cm、幅1〜3cm。 花は長さ3〜10cmの穂状花序に多数つく。花軸や萼には白毛がやや密に生える。 苞は葉状で小さく、先は鋭くとがり、両縁に刺毛状の長い歯牙がある。萼裂片は鋭尖頭。 花冠は紅紫色、花喉の両側に白色の盛り上がった斑紋があり、長さ14〜18mm。 近縁種 : ツシマママコナ、 シコクママコナ、 ミヤマママコナ ■分布:北海道西南部、本州、四国、九州 ・ 朝鮮南部 ■生育環境:丘陵〜山地の林縁、落葉広葉樹の疎林内など。 ■花期:7〜9月 |
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↑Fig.2 葉。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 葉は対生し、葉柄がある。葉身は長卵形で、全縁、両端はとがり、短毛を散生する。 |
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↑Fig.3 花序。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 茎頂部の穂状花序に多数の花が一方向に、やや密につく。 |
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↑Fig.4 花軸と萼。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 花軸や萼には白毛がやや密に生える。萼は短い筒状で、4中裂し、裂片は鋭尖頭。 |
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↑Fig.5 苞。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 苞は葉状で卵形〜長卵形、縁には刺毛状の長い歯牙があり、鋭頭。 |
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↑Fig.6 ママコナの花。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 花冠は長い筒状で、先は唇形。上唇の内側の縁には軟毛が生え、下唇の先は浅3裂し、内面に2条の白色の隆起がある。 |
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↑Fig.7 花冠の拡大。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 雄蕊は4個、雌蕊は1個あるが、甲状となった上唇に隠れて見えない。 |
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↑Fig.8 成長途上のママコナ。(西宮市・落葉樹林下 2010.6/30) |
生育環境と生態 |
Fig.9 林道脇の林縁に群生するママコナ。(兵庫県篠山市・林道脇 2010.6/30) 林道脇の半日陰の土崖の上のネザサ群落の縁にママコナが群生していた。 ネザサに寄生しているのだろうか、よく発達した個体が多い。 土崖にはノギラン、シシガシラ、コバノミツバツツジ、ナツハゼ、カンサイスノキ、シライトソウなどが生育していた。 |
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Fig.10 棚田の林縁に生育するママコナ。(兵庫県三田市・棚田 2011.9/17) 刈り込みを受けた棚田の林縁土手に生育していた。 土手は刈り込みによって矮小化した木本が多く、モチツツジ、ヤマツツジ、ケアクシバ、ヒサカキ、サルトリイバラ、イヌツゲ、ヤマハゼなど に覆われており、ママコナはわずかにネザサのある日当たりよい場所に見られた。 |