サケバヒヨドリ Eupatorium laciniatum  Kitam.
  丘陵・林縁の植物 キク科 ヒヨドリバナ属
Fig.1 (兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)

Fig.2 (兵庫県姫路市・林縁 2011.10/2)

丘陵〜山地の林縁、草地など生育する多年草。
茎は高さ50〜100cmで、細い。葉は対生し、薄く、ふつう3深裂する。葉柄は長さ7〜17mm。
裂片は長楕円形または披針形、側裂片は長さ4〜6cm、大きな欠刻がある。
頂裂片は長さ7〜8cm、大きな内曲する欠刻があるか3中裂し、欠刻は鈍頭。
葉面は緑色で、縁にまばらに毛があり、裏面は淡緑色、ふつうは腺点がないが、時に腺点を有し、脈に沿って毛を散生する。
頭花は茎頂に密散房状につく。小花は5個で、全て筒状花。総苞は筒状、長さ5〜6mm。
痩果は5稜形、長さ約3mm、黒色、ふつう腺点はない。冠毛は長さ約5mm。

キクバヒヨドリE. makinoi)はより葉質が薄く繊細で、葉裏に腺点が多数ある。山地の崩壊地などの撹乱地に生育。
近縁種 : キクバヒヨドリ、 サワヒヨドリ、 ヒヨドリバナ、 フジバカマ
■分布:本州(関東以西)、四国、九州
■生育環境:丘陵〜山地の林縁や草地など。
■花期:9〜11月

Fig.3 茎と葉。(兵庫県姫路市・林縁 2011.10/2)
  茎は細く、表面には上に曲がった短毛が密生し、白味を帯びて見える。
  葉は対生し、質が薄く、3深裂する。

Fig.4 葉。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  表面は緑色。裂片は長楕円形または披針形、側裂片は長さ4〜6cm、大きな欠刻がある。
  頂裂片は長さ7〜8cm、大きな内曲する欠刻があるか3中裂し、欠刻は鈍頭。

Fig.5 葉裏の拡大。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  裏面は淡緑色、脈に沿って上に曲がった短毛を散生、ふつう腺点はないが、ときに腺点を有する。
  葉縁にも上に曲がった短毛を散生する。

Fig.6 花序。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  頭花は茎頂に密散房状につき、上部は平坦になる。

Fig.7 頭花。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  頭花は白〜淡紅色、5個の筒状花からなる。総苞は筒状、長さ5〜6mm。2叉して筒状花から出ているのは花柱。

Fig.8 結実した頭花。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)

Fig.9 冠毛をつけた痩果。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  比較的結実率はよい。冠毛は長さ約5mm。

Fig.10 痩果。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
  痩果は5稜形、長さ約3mm、黒色、ふつう腺点はないが、画像のようにあることもある。

Fig.11 冠毛には上向きの小刺がある。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)

Fig.12 晩秋に紅変した個体。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)

生育環境と生態
Fig.13 溜池土堤に生育するサケバヒヨドリ。(兵庫県加東市・溜池土堤 2013.11/22)
溜池土堤のやや林縁よりの草地にサケバヒヨドリが数個体生育していた。
周辺にはナキリスゲ、トダシバ、ススキ、矮小化したネザサ、メリケンカルカヤ、オトギリソウ、ナガバノタチツボスミレ、シハイスミレ、
カナビキソウ、アリノトウグサ、コマツナギ、ワレモコウ、サルトリイバラ、オミナエシ、ツリガネニンジン、ノアザミ、キッコウハグマ、
アキノキリンソウ、セイタカアワダチソウなど里山の雑木林の林縁草地に見られる生育する種が生育していた。



最終更新日:30th.Jul.2016

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