サワハコベ Stellaria diversiflora  Maxim.
  山地・渓流の植物 ナデシコ科 ハコベ属
Fig.1 (兵庫県丹波市・林道脇 2014.4/3)

Fig.2 (兵庫県丹波市・渓流畔 2009.5/10)

低山〜山地の渓流、多湿の林床に生育する多年草。
茎の下部は地表を這い、節からひげ根を出し、上部は斜上して枝を分け、無毛で、長さ5〜30cm。
葉は柄があり、卵形〜3角状卵形、長さ1〜4cm、幅0.8〜2.5cm、鋭頭、表面に伏せ毛があり、裏面は無毛、鮮緑色。
花は長い柄があり、葉腋に単生する。萼片は長楕円状披針形、鋭頭、長さ4〜7mm。
花弁は白色、2中裂し、萼片とほぼ同長。雄蕊2〜10個。花柱3個。刮ハは球形で6裂する。
種子は楕円形、長さ約2mm、星状の小突起を全面に密生する。
近縁種 : オオサワハコベ、 ミヤマハコベコハコベ、 ミドリハコベ、ヤマハコベ、アオハコベ

■分布:本州、四国、九州
■生育環境:暖温帯の林縁や里山。
■花期:5〜7月

Fig.3 葉。(兵庫県篠山市・渓流畔 2011.5/4)
  葉は柄があり、卵形〜3角状卵形、長さ1〜4cm、幅0.8〜2.5cm、鮮緑色、鋭頭、表面にまばらに伏せ毛がある。
  葉先は淡色の微突端となるものが多い。

Fig.4 花柄と萼。(兵庫県篠山市・渓流畔 2011.5/4)
  花は長い柄があり、葉腋に単生する。
  萼片は長楕円状披針形、鋭頭、ほとんど無毛で、背の稜にわずかに伏毛があった。

Fig.5 開花したサワハコベ。(兵庫県篠山市・渓流畔 2011.4/29)
  花弁は白色、2中裂し、萼片とほぼ同長。雄蕊2〜10個。花柱3個。
  花は良く似た環境に生育するミヤマハコベよりかなり小さく、開花時期は少し遅れる。

Fig.6 植林地の林床に見られた斑入り品。(兵庫県篠山市・渓流畔 2012.4/29)。

生育環境と生態
Fig.7 湿った林縁の岩上に生育するサワハコベ。(兵庫県丹波市・林縁 2011.4/29)
サワハコベは湿った半日陰の環境に多く、ここもそのような場所であった。
同所的にユリワサビ、イチリンソウ、タチツボスミレ、ラショウモンカズラ、チャセンシダ、ジュウモンジシダが見られた。


最終更新日:12th.Aug.2014

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