セトウチホトトギス | Tricyrtis setouchiensis Hir.Takah. | ||
里山・低山の植物 | ユリ科 ホトトギス属 |
Fig.1 (神戸市・棚田の土手 2015.9/29) 山野のやや湿った林縁や草地に生育する多年草。 ヤマジノホトトギスに似るが、やや毛深く、花披片の下部に黄色の斑点があり、花柱や花糸に紫斑がある。 根にはアントラキノン系の色素があり、黄色を帯びる。 ヤマジノホトトギス(T. affinis)は花披片下部に黄斑はなく、花柱と花糸に紫色の斑点もない。 ホトトギス(T. hirta)は花披片に紫色の斑点が多く斜開し、茎に斜上する毛が多い。 ヤマホトトギス(T. macropoda)は茎の毛は少なく、花披片が強く反り返り、花柱と花糸に紫色の斑点がある。 近縁種 : ヤマジノホトトギス、 ホトトギス、 ヤマホトトギス ■分布:瀬戸内海沿岸 ■生育環境:山野のやや湿った林縁や草地。 ■花期:8〜10月 |
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↑Fig.2 茎は高さ30〜60cm、茎頂や葉腋に1〜数個の花をつける。(神戸市・林縁 2015.9/29) |
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↑Fig.3 茎の毛は目立ち、斜め下向き。(神戸市・林縁 2015.9/29) |
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↑Fig.4 葉。(神戸市・棚田の土手 2014.9/27) 葉は卵状楕円形〜狭長楕円形、先は急にとがる。ヤマジノホトトギスよりも毛深いものが多く、葉裏は全体に毛がある。 葉柄はなく、葉身基部は茎を抱くものが多いが、抱かない葉もある。 |
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↑Fig.5 葉表の毛。(神戸市・棚田の土手 2014.9/27) 毛の多少は変異幅があるが、少なくとも脈上には毛がある。画像のものは多毛な例。 |
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↑Fig.6 葉裏の毛。(神戸市・棚田の土手 2014.9/27) 葉裏は脈上のほか、全面に毛が生える。 |
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↑Fig.7 開花中の個体。(神戸市・雑木林の林縁 2013.10/5) |
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↑Fig.8 外花披片下部と花柄。(神戸市・林縁 2015.9/29) 花柄は約2cm、毛や腺毛が生える。花披片の外面には腺毛があり、外花披片は幅広く、基部が球状にふくらむ。 |
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↑Fig.9 花。(神戸市・雑木林の林縁 2013.10/5) 花披片は白色で紫色の斑点、下部に黄色の斑点があり、上部は平開するが反曲しない。 花柱は3枚に分かれ、それぞれはさらに2裂し、縁に球状の突起をつける。花糸は外曲し、葯は外向き。 花糸と花柱に紫色の斑点がある。 |
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↑Fig.10 大きな紫斑を持つ花。(神戸市・棚田の土手 2014.9/27) |
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↑Fig.11 訪花したホソヒラタアブ。(神戸市・棚田の土手 2013.10/5) |
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↑Fig.12 刮ハ。(神戸市・林縁 2013.11/16) 刮ハは3稜ある披針形で、熟すと先端から3裂する。 |
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↑Fig.13 種子。(神戸市・棚田の土手 2015.11/10) 種子は扁平な広卵形〜広楕円形、褐色、長さ1.2〜1.6mm、表面には長6角状の格子模様がある。 |
生育環境と生態 |
Fig.14 休耕田の土手に生育するセトウチホトトギス。(神戸市・棚田の土手 2015.9/29) 休耕田となった棚田の土手に状態のよいセトウチホトトギスが多数生育していた。 日当たりよい適湿な草地でありハリガネワラビ、ゲジゲジシダ、ミゾシダ、ワラビ、ネザサ、ススキ、アブラススキ、ノギラン、ヤマノイモ、 ヒナタイノコヅチ、カラムシ、クサイチゴ、オトギリソウ、ワレモコウ、クズ、エビヅル、ミツバアケビ、ヘクソカズラ、アカネ、ヒキオコシ、 クルマバナ、ヒメジソ、コシオガマ、キツネノマゴ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、アキノキリンソウなどが生育している。 |