シケチシダ | Cornopteris decurrenti‐alata (Hook.) Nakai | ||
里山・低山・林床のシダ | イワデンダ科 シケチシダ属 |
Fig.1 (兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) |
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Fig.2 (西宮市・竹林林縁 2013.6/28) 里山や低山の湿った林床などに生育する夏緑性シダ。 根茎は横走し、葉を混みあってつけ、鱗片がある。鱗片は広披針形、長さ約6mm、幅約2mm、全縁、褐色、膜質。 葉柄は長さ45cm以上に達し、緑色で、紫紅色を帯びることがあり、淡褐色で披針形の鱗片をまばらにつけ、有節毛もあり、基部はふくらむ。 葉身は広披針形からほぼ楕円形、鋭頭〜鋭尖頭、長さ25〜50cm、幅12〜35cm、2回羽状に中裂〜複生し、切れ込みの深いものでは小羽片が羽状に中裂する。 羽片は長楕円状披針形、無柄、小羽片も基部は羽軸に流れて狭い翼となり、鈍頭〜円頭。葉質は薄い草質、表面はやや光沢のある緑色、裏面は淡色。 葉の各軸は裏面に淡褐色で全縁、狭披針形の鱗片をまばらにつけるか、無毛、または多細胞毛をつける。 胞子嚢群は長楕円形〜線形、Y字状になることもあり、長さ4mmに達し、小羽片の辺縁と小羽軸の中間か、やや小羽軸寄りにつき、苞膜はない。 近縁種 : ハコネシケチシダ、 イッポンワラビ ■分布:本州、四国、九州 ・ 朝鮮南部、中国中南部、ヒマラヤ ■生育環境:里山や低山の湿った林床など。 |
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↑Fig.3 全草標本。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 非常に暗い林床で生育していた小型の個体である。 根茎は横走する。葉身は広披針形からほぼ楕円形、鋭頭〜鋭尖頭、2回羽状に中裂〜複生する。 |
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↑Fig.4 葉柄の鱗片。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 葉柄には淡褐色で披針形の鱗片がまばらにつく。 |
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↑Fig.5 中軸。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 中軸には溝があり、羽片との交点に突起がある。 |
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↑Fig.6 最下羽片。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 最下羽片の裂片は上下にほぼ互生する。小羽片は円頭〜鈍頭。 |
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↑Fig.7 羽軸。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 羽軸表面の小軸との交点には刺状突起がある。画像のものは突起があまり目立たないが、かなり長いものをもつこともある。 |
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↑Fig.8 羽片裏面。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) 羽片の裏面は淡色。胞子嚢群は長楕円形〜線形、Y字状になることもあり、小羽片の辺縁と小羽軸の中間か、やや小羽軸寄りにつく。 |
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↑Fig.9 ソーラス。(兵庫県朝来市・植林地の林床 2011.6/19) ソーラスには苞膜がない。 |
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↑Fig.10 新葉を展開したシケチシダ。(兵庫県篠山市・植林地の林床 2012.4/29) |
生育環境と生態 |
Fig.10 渓流畔の小道の脇に群生するシケチシダ。(兵庫県市川町・渓流畔の道端 2011.12/18) 渓流畔にある社寺境内の湿った小道とチャートの岩塊の間にシケチシダの群生が見られた。 チャートの岩塊にはシシラン、ヌリトラノオ、フジシダなどが着生し、周辺にはミヤマカンスゲが群生する多湿な場所である。 |
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Fig.11 渓流畔の小道の脇に群生するシケチシダ。(西宮市・竹林林縁 2013.6/28) 渓流に面した林道脇に、放置された竹林が広葉樹林を侵食しつつあり、その傾斜のきつい多湿な林縁部に生育している。 周辺にはヤブソテツ、シケシダ、クマワラビ、オクマワラビ、オオバノイノモトソウ、タチシノブ、コモチシダ、ミヤマイタチシダ、 ベニシダなどのシダ類、アオツヅラフジ、イノコヅチ、チヂミザサ、ヤマカモジグサ、ミゾイチゴツナギ、ドクダミ、ハナタデが生育。 |